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目が覚めたら猫になっていた少年の話

目が覚めたら猫になっていた
俺は犬派なのに…
緊急事態だけどそんなことが頭に浮かんだ
真っ黒くて柔らかで
それでいて芯の通った身体だ
鏡に映る俺は可愛いかった
美猫グランプリなんてものがあれば
俺は間違いなく優勝するだろうな

猫好きのあの子がそこの通りを通る
あの子のLINEのホーム画は
いつも道端で撮った猫の写真
俺の写真を撮ってくれないかなって
密かに思いながら飛び降りた

黒い服でうつむき歩いていた彼女は
口を「あ」の形にして
こっちに寄ってきた
わざと俺は寝たふりをしてやった
満面の笑みの彼女は
少し距離を取りながらスマホを向けて来た

シャッター音が聞こえない
どうしたんだよ、猫好きだろ?
俺が目を開けると、彼女は泣いていた

ねえ
あなたは

かすれ気味の声を聞いた

ねえ
俺は

俺は彼女の黒い服の意味に気づいた
そうか、だから俺は猫になったんだ

あげる
どっちにしろあなたにあげるものだったの

彼女が差し出したのはアングレカムの花束だ

待って
俺もあげたいものが

…たくさんあったんだ

口から出たのはミーという声
可愛い声だ、本当に。

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音のナイフ 7

わあぁ…

男の子は言葉にならない音声を漏らしました。
女の子の家はなんだか赤くて、四角い石を積んでできていました。

女の子は男の子が固まっているのを見て心配になりました。

どうしたの?

この家は…何でできているんですか?

煉瓦だよ?

れんが…男の子は1文字1文字を口の中で転がしました。
たくさんの言葉を知っていて、たくさんのものを見てきたのに。
こんな形の、こんな素材の家は初めてでした。

私の家、なんか変?

いいえ。

男の子は家から伸びる塔のようなものから出ている煙を見ながら答えました。

気に入りましたよ。

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恋をしたのは

君が君だったからだよ

演劇が好きで演技してるときが1番輝いてて

誰にでも好かれるやさしさがあって

ユーモアがあって

素敵な言葉で心をホワンとさせてくれるとこ

全部全部君の好きなとこ

君のことたくさん知った

喜びも悲しみも全部くれた

世界が輝いて見えるのは

きっと君のおかげだからだね

恋する私の

相手は君だけ