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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑳

「何だよって…何?」
「いや何ってこっちが聞きたいよ」
わたしの言葉に対し、ネロはそう答えた。
「おーい、ネロ〜」
すると明るい声と共に耀平が壁をすり抜けてきた。
「お、やっぱり、お前もいたか」
続けて壁をすり抜けてきた師郎はそう呟く。
「…」
黎も黙って壁の向こうからやって来た。
「え、皆、どうして⁈」
わたしが途方に暮れていると、ネロは呆れたようにこう言った。
「どうしてもこうしても、この壁実は幻みたいなモンなんだよ」
ネロは隣の白い壁に手を触れる。
彼女の手は壁をすり抜けた。
「え嘘」
「嘘じゃないホント」
ネロはそう言ってため息をつく。

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対怪異逃避行:鏡像の怪異 その③

「さあ無事に1階までやって来たわけだけど」
1階まで下りてきたところで、あいつが言った。
「それがどうした?」
昇降口に向けて歩きながら問い返す。
「この怪異も人が悪いよねぇ」
「人じゃ無いもんなぁ」
「そういう意味じゃあ無いんだけど……」
「知ってた」
「ははは、こいつぅ」
冗談も一段落ついたところで、真面目に聞き返す。
「で、どこが」
「よりにもよって、自分にとって一番有利な状況でだけ出てくるところかな」
「どういう意味だそれ……」
言ってから一瞬遅れて、その意味に気付いた。
そして、愚かにも、本当に馬鹿なことではあるんだが、つい反射的に、廊下にずらりと配置された窓ガラスの1枚を見てしまった。
日の暮れた屋外と電灯の点いた校舎内の明暗差によって、『鏡のようにこちらの景色を反射しているガラス面』を!

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復讐代行〜第24話 塑性〜

「排除って…でもどうやって?」
「知らないよ」
「随分雑だな、人に頼むならもう少し具体的なアイデアを出してくれよ」
あえて返信はしなかった。あくまで主導権は私だというのに…どいつもこいつも…
「わかったよ、受けないのはこっちとしても損しかない、その頼みは俺に任せろ」
追ってLINEが届く。小橋はアレで結構素直だ
“ハナからこっちにすれば良かったかなぁ”
そうほくそ笑みながら携帯の画面を閉じ、改めて家を見渡す。
だいぶこいつのこともわかってきた。
世にいう八方美人のサイレントマジョリティー…
まぁそこは薄々、いやかなりわかっていたんだけど。
驚いたのはこいつにはいじめを受けていた過去があるってことだ。私のイメージの中ではそんな素振りは見たことがなかっただけになかなかの衝撃だった。
部屋にある写真から察するに…
人畜無害故にいじめっ子の小手調べ、いや踏み台といった方が正しいか、
それにあてがわれたのだろう。
“私とは違う、全然違う…だけど思いは同じ…”
なんでだろう…なんでこいつの復讐心が…私の中で燃え上がるの…?私の心が彼の体を刺激してるとでもいうのか…
それとも…
それとも私の方が…?
私の中で燃え続ける彼の復讐心は私に小さな疑問と大きな可能性を植え付けた。

to be continued…

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宇宙を創った方へ。星を創った方へ。

無から創りだされた光

そこには計り知れない優しさがあった

闇、光、それは私達の遺伝子に組み込まれた命

無数の輝きのその声を聞かせて頂いた時

私は安堵を覚えたのです

有り難う御座います

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ユーラシア大陸縦横断旅63〜夜の情報戦〜

彼女は寝息を立てて夢の中にいる深夜1時、妙なプレッシャーから目が覚めてしまう
「彼女は寝てるし、今の内にやっちゃおうか」そう呟き、東京の電車のダイヤを調べ、目的地別に纏めて確実なルートを割り出し、イレギュラーにも備えてプランを幾つも用意する
「さあさ皆で歌おう俺達の歌を〜♪
(オイオイオイ!)
進め進め〜♪次のステージへ〜♪愛しの君と〜なら〜♪困難には負けない〜♪
百戦錬磨の知識、引き出す時〜♪あの子と2人武蔵巡るぞ〜♪
華麗に魅せろ俺流を〜東京生まれのプライドと積み重ねた知識〜♪今だ、纏めておけ〜♪
門司より遠く〜離れた東京〜俺の故郷が〜君の味方だ〜♪さあエスコートするぜ〜♪俺の出番だ〜♪
それゆ〜け弾けるLiebe♪使え〜よ閃くルート♪知識をうまく使って彼女を笑顔に〜♪
沸き立つ思い、君への愛は〜♪もう、止まらない〜永久不滅さ〜♪
この俺を虜にする君をいつまでもそういつまでも〜この想い共に抱き〜我ら支え合うのさ〜♪
関門海峡超えて届くこの想い〜♪
奏でよう俺ら2人で末永く愛を紡ごう〜♪
静かに〜されど熱く〜胸に秘めた想いは〜♪東京(ふるさと)で花となり〜いつまでも咲き誇る〜♪」かつて、想い人に会えなくてつらい思いをしていた頃、耐えきれない寂しさから俺が好きなプロ野球チームの選手個人応援歌の替え歌をしていた時期がある
当時作った替え歌とそれを即興でアレンジして歌いながらスマホで今後の予定を練り、気付いたら3時を告げる鐘が大英帝国繁栄を象徴する議会のある方から鳴り出す
「これだけやっとけば、多分何とかなるな。よし、これで寝られるな」そう呟き、もう一度眠りに付く

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ミュージック 7

何気なく、SNSをみていると、ぽんとメッセージの通知が鳴った。
開くと、私のフォロワーからのメッセージだった。

お久しぶりです。今、私とあなたの大好きだった音楽が消えています。私は許せません。今もあなたが音楽を大好きでいるならば、何か行動を起こしてみませんか?

許せませんという言葉に心が揺らぎ、燃えた。
同志はいる。

お久しぶりです。私も、許せません。私は今と言わず未来でも大好きです。何を、しますか?

送る手が震えていたことに気づいたのは、文字を打ち間違えたときだ。