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Trans Far East Travelogue64

嫁が俺と同じくらいのペースで呑みまくり、暫くして眠り始めたことでお開きになり、色々考えた末に嫁を背負って帰ることになった。
「ウグッ…流石にしんどいなぁ…でも、日本男児ならこんくらいはやってやんねえと」そう呟くと嫁が眼を覚まして「え?今どういう状況?」と訊いてきたので「君が酔っ払ってお店が閉まるギリギリになっても眠って起きなかったからこうやって運んでるんだ…俺さ、お酒に強い人が比較的多い韓国で働いて飲み会行きまくった経験からお酒に関しては量は飲めるんだけど,体質的に翌日じゃなくて飲み終わった数十分後に刺激が来て数時間後に消えるんだよ。でも、いきなり立ち上がったからこのタイミングで頭に酔いが回ってきた」と俯きながら語りかけると嫁が「ごめんなさい…私,貴方と結ばれてからロンドンで呑んだのが初めてだったから加減がわからなくて」と謝るので「俺も初めて呑んだ時はグラス2杯分だけでその次からガチで呑んでたから気持ちはよく分かるよ。まぁ,俺は君と違って初めてが氷割りのビールで度数が低かったからその次以降がガチでキツかったけど」と笑って返すと「本当に大丈夫なの?」と心配してくれるので「セブで悪酔いした時よりは少なかったからな。この位ならなんとかなるさ」と答えると「そう言えば,セブの話で皆が言ってたフェラスリーって何のこと?」と訊かれたので「fellaは俺達が通ってた語学学校の名前ね。寮とセットになってるキャンパスが2つあってそれぞれの数字で呼び分けるんだけど,学校の近くのバーに休みにはその学校の生徒が集まって店が学生で埋まるからそれぞれfella3,fella4って呼んでたんだけど、俺は休みが少なくて新しくできた4には行けなくて3しか行ったこと無いけどね」と返す。
「まぁ,そこも色んな思い出があって、予定通りならセブにも寄港して三日ほどいるし、その次の寄港地からも飛行機なら1時間以内だそうだから行こうと思えば行けるんだけどな」と言って笑い、その後も暫く2人でお互いの思い出を語り合いながら歩き、普段の2倍の時間をかけて帰宅し、家でも紅茶を飲みつつ色々語り合った。
近い時期に近い地域男4人が皆同じ週に帰るため修了証書を受け取った金曜に皆で集まって呑み、日付が変わってすぐの便で帰る3人を見送った、寮で過ごした最後の夜の再現と言っても過言では無い。