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LOST MEMORIES CⅤⅩⅣ

やっと、太陽さんおはようだ。馴染みのなかったこの言葉にも、そろそろ違和感を感じない。シャワーを浴び、早くも制服に着替え、顔を出したばかりの太陽を見る。太陽はやはり暖かい。
再び、窓を開ける。朝の冷たい空気を欲している。今度は合法である。別に、夜に開けることが違法とかではないのだが。
まだ人の気配は無い。人間の活動時間には少しばかり早すぎる。
そのはずなのに聞こえる物音。それも家の中から。
「どうして起きているの、チャールズ。」
まさかと思ったけれど、ちょっと早過ぎやしないか。
リビングへ行くと数時間前に言葉を交わした彼がキッチンに立っている。
「おはようございます。」
華々しいその微笑みは、なんだか久しぶりに感じる。それもそうかもしれない、数時間前は疲弊していたわけだし、2日間瑛瑠は、文字通り夢の世界へ身を預けていたのだから。
しかし、睡眠というよりかは仮眠ではないのかこの付き人。
ふと生じる疑問。
「おはよう。
……チャールズは、どれくらいの間こっちにいるの?」
朝食を作っているときの音は、人間界へ送られてからよく聴くようになった。その良い音をBGMに、チャールズに尋ねる。ついでに、何か手伝おうか?と付け加えるのも忘れずに。

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