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LOST MEMORIES CⅥⅩⅢ

「避けてる?僕が?瑛瑠さんを?」
「はい。」
見事な鸚鵡返しと重ねクエスチョンに一言で返す瑛瑠。
そして、少し考える素振りを見せた望は、華麗に瑛瑠の質問をスルーした。
「放課後、図書室に行くの?」
誰かさんにも似たようなことをされたなあと思いつつ、今日は行くつもりはなかったです,と律儀に答える。
「ちょっと寄れない?僕、瑛瑠さんと話したいことがあるんだ。」
雰囲気が変わった気がするのは、気のせいだろうか。
「わかりました。放課後、図書室、ですね。」
そこで、瑛瑠の質問に答えてくれるということだろう。
「瑛瑠さん、」
会話を終わらせようとしていたのを引き留めるように望は続ける。
「さっきの。避けているように感じたのなら、たぶんそうなんだと思う。
嫌な気持ちにさせていたらごめんね。でも、瑛瑠さんが何かしたとかじゃないから。」
正直、これだけ聞ければ十分だ。
胸を撫で下ろし微笑む。
「はい。図書室で、ちゃんとお聞きしますね。約束、です。」
すると望は、困ったような悲しいような、それでも少し嬉しそうに、
「うん、約束。」
そう返した。

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