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LOST MEMORIES CⅥⅩⅤ

「友達になろ!」
思いもよらぬところから飛んできたボールに、とっさの判断ができない瑛瑠。
「え、あ、あの、」
歌名といえば、顔を文字通り林檎のように真っ赤にして、弁解を始める。
「も、もー!こういうシナリオじゃなかったんだもん!」
そう言ったが最後、瑛瑠の言葉などお構いなしに、機関銃のように捲し立てて説明を追加していく歌名。
「こんな年になってまで友だちになろうとかほんと恥ずかしいことだし、そもそも友だちってこういうものでもないと思うけど、でも瑛瑠ちゃんに話しかけようとするとその場にはいっつも望がいるし、ほんとはもっと早い段階で仲良くなりたかったんだけどいつの間にか2週間たつし、瑛瑠ちゃん自体結構神出鬼没で――!」
「ま、待ってください!」
落ち着くよう促す。支離滅裂とは言わないにしても、逆接に逆接を重ねすぎてぐじゃぐじゃだ。
神出鬼没、そんな風に思われていたのか。
そうではなくて。
望のいるところに歌名がいたのではなく、望がいるときに居合わせてしまっていたということか。用があるのは望ではなく瑛瑠だった、と。
「今朝、邪魔しないでって言ってたのは……。」
まだ何か言いたげにしている歌名へ、引き継ぐように聞く。
歌名は目線を少し下げ、
「聞こえてたか。今日、いつもより早く出て瑛瑠ちゃんを捕まえようとしたのに、また望が来ちゃったから。」
恥ずかしくて、友だちになろうとか言えないじゃん……なんてぶつぶつと呟く。
「瑛瑠ちゃん、一線引いてるから、言わなきゃ伝わらないと思って。」
バツが悪そうに微笑む。
思い出す歌名とのシチュエーション。哀しそうに微笑ったのは、瑛瑠と望コンタクトに失敗したそれだったのかと腑に落ちる。
「私のこと、どこまで気付いてる?」
今度は瑛瑠が覗きこまれた。

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  • PS》
    お、お恥ずかしい…。
    瑛瑠とのコンタクト、です。
    のって打つと望って出てくるんです…最近は誤字が多いなあ…なんてことでしょう。
    実は前回も、訂正しなかっただけで誤字があったのですが、スルーしていただけるとありがたい…汗

  • 気にしないよ(基本速読だから気づいてない)
    予想大当たり(o^-')b !相変わらずぐいぐい来るねー、カナちゃん。

    みー♪ちゃん中学なんすぐ忘れるわー(*´・д・)
    自分が高校生なんもすぐ忘れるわー(←アホ)
    シャアさんとピーターさんはそのまんま(←失礼)

    ま、年齢なんて関係ないっつうことですよ。ねえ?(誰にしゃべってんだ)

  • めめんとさん》
    気付かれていなければそれでいいのです(笑)
    わーお、もうちょっと裏切れればよかった…(力不足)。
    ぐいぐいくるキャラクターいなかったから…笑
    たぶん1番年相応。可愛い。好き。

    あんまり誰が何歳とか考えませんね(笑)特にこのレス欄。ギャップにおお!?ってなることしばしば。だって。みーちゃん義務教育だよ?すごい。