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書評のコーナー (11)

坊っちゃん/夏目漱石 (1906)

【概要・あらすじ】
近代日本を代表する作家、漱石の代表作。
東京から中学校の数学教師として四国・松山に赴任した主人公は、同僚らとの付き合いの中で、権力を笠に着る教頭・赤シャツと、彼に媚びへつらう画学教師・野だいこの二人に敵意を覚え、数学教師仲間の山嵐とともに彼らを懲らしめる決意を固める。

【感想・評価】
この作品は、日本文学史における「勧善懲悪」ものの典型といって良いだろう。典型的な江戸っ子気質の主人公が、風土の全く違う松山で奮闘する姿は、一見滑稽なものだが、終盤に近づくにつれて、無意識のうちに読者自身も心の中で彼に声援を送っていることに気づくだろう。
これもやはり、日本人の中に、正義を好む血が流れている証左だろうか。

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