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スピッツ

スピッツはわたしに、日常というありふれたものの、かけがえのなさを教えてくれました。
わたしがスピッツに出会ったのは幼稚園の頃。その頃は歌詞の意味も理解しないまま、一度聞いたら忘れない心地よいメロディーに浸りたくて、毎日のようにカセットテープを聞いていたことを記憶しています。
でも少しずつ大人になっていくにつれて、音楽の趣向が変わって、スピッツを聞く機会が減ってしまいました。
そんなとき、大好きな米津玄師さんが、ツイキャスという生放送のアプリで、スピッツの「桃」という曲を弾き語ってくださいました。そのとき、あの頃意味もわからずに聞いていたスピッツの、ほんとうの深さに気づかされました。「他人が見ればきっと笑いとばすような よれよれの幸せを追いかけて」。12年経ってやっと、スピッツを知ったような気がしました。日々のなんてことない日常、それこそが幸せなんだよと、そう教わった気がしました。
「ささやかな喜びを 震えるほど抱きしめて」、「君と出会った奇跡が この胸にあふれてる」。思い返せば、幼い頃夢中で聞いていた曲たちも、こうした何でもないことを大切に思う歌詞を多く含んでいました。小さなことを幸せと感じる、簡単なことのようで難しいことと思います。知っているようで気づけないことと思います。スピッツはわたしに、とても大切なことを教えてくれました。
今日はそんなスピッツが主催されている、音楽イベントの開催日です。スピッツの良さを、わたしに改めて教えてくれた米津さんも出演されます。わたしは行けないのですが、いつかスピッツを生で聞いてみたいなと思います。そうしたらまた新しい何かを、スピッツは教えてくれるような気がします。