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プロタゴラス

人間は自分勝手だ。自己中心的だ。この世界は、人間のエゴで溢れかえっている。
「さかなや牛は、自分の身を犠牲にしているのだから、残さずに食べよう」だとか、「貧しい人たちの分もしっかり勉強しよう」だとか、強く自殺を非難し、己を己の手で殺める人を弱い人だと責め立てたり。
さかなだって牛だって、犠牲になりたくてなってるわけではないし、強く言えば私たち人間が殺しているのに。それなのに、人間はいつだって世界の中心は自分だから、仕方のないこと、で済ませようとする。
自分は何もできないから、汚れたくないから、綺麗なままでいたいから、あやふやで矛盾した言葉で紛らわそうとする。
そして自分の尺度で、勝手に物事を計ってしまう。
生きたくても生きられないひとがいる。
そうやってあなたは言うけれど、
生きたくなくても生きないといけないひとはどこへ行ったの。
病気で死ぬのが偉いんじゃない、自殺をするのが馬鹿なんじゃない。
苦しんでる人が偉いんじゃないの。
そうやってそうやって、人間はいつも世界の中心は自分で、自分を正当化して、まったくもってエゴイスト。
目に映る世界は確かに澄んでいてカラフルなんだけど、この汚れは瞼の裏にひっついて剥がれやしない。
よごれたわたしたちは、今日も肉をたべて、貧困のために死んでいった子どものニュースに涙し、死にたいと嘆く者を叱咤し、数十分後には何もかも忘れて、大好きな人と笑い合うの。
まあこんな文章を書いても、3日後には忘れてしまうのだけれど。