第2章
9年前、小学5年生のときに東日本大震災を経験しました。内陸部に住んでいたため、津波による被害はありませんでしたが、数分おきに起こる余震に怯えていたこと、停電で真っ暗な夜を過ごし初めて夜が明けないのではないかと不安に思ったことを今でも鮮明に覚えています。私の中ではあの日から時計の針が止まったままです。
小学校高学年で震災を経験した私たちの世代が、震災を次世代へ伝えられる最後の世代だと言われています。今までは怖くて思い出したくもありませんでしたが、9年が経った今、ようやくあの日の出来事に向き合えるようになりました。最近では大学で震災伝承学について学んでいます。あの日を思い出すようなこの状況だからこそ、被災地の復興に携わりたいという夢に向かって、新たな一歩を踏み出したいです。