ずっと夢を見ていたかった ずっと続くと思っていた 気づいたら終わりは目の前に 笑顔で走って来たけど 最後の最後で 笑顔が崩れそうだ それほどわたしの中では 君は大きな存在 待って!行かないで! って言うのは簡単だけど その言葉が 君を縛ってしまうのならば 私の気持ちは押し殺してでも 笑顔で君に言うよ いってらっしゃい
爪先だけで泣いている ずっと雷みたいだ 反射した夕日に目を細めた 去っていったピアノの音 乗り込んだバスは行き先がちがっていて なにもなかったような顔のまま 二停先で下車して歩く ひとつのことだけを考えている そのとき遠くなるすべてを 笑顔で見送った知らないあなた 秋のにおいが立ちこめる坂道 振り向いたわたしは何者でもなくて 夜のはじまりが鳴るまで空を見ていた
人間はなぜ二本脚で歩き出したのか 『手をつなぎたかったから』と答えた子どもは 「そもそもなぜとかじゃなくてたまたま立ってみたら都合が良かっただけ、進化論的には。」 と答えるひねくれた人間になりました 「手だって繋げるしね」 いや、根っこは変わってなかったみたいだ 歩こうぜ 手をつないで 進化論のその先を目指して 怖くても二人で 根拠はないけど僕らなら行けるって 0点だって構わないくらいの答まで 行こうぜ
皆さんこんばんは。memento moriです。 もうすぐ夏も終わりですね。やり残したことなどはないでしょうか? ん?何々?全然詩を書けなかった?ポエム掲示板の投稿をサボっていた? ご安心ください!僕もです!()というわけで、こちらを開催します! 第二回、ショートポエム選手権~! と! 第一回、ショートストーリー選手権~! なんなんだそれは!という方、多いと思います。というか、二つ目に関してはほとんどだと思います。詳しい内容に関してはまた後々説明しますので、待っていてくださいね。 募集期間は九月いっぱい(※1)!今の間に、少しでも言葉やアイデアのストックをためておきましょうね。 「詳しく知りたい!」「夕飯美味しかったよ!」などなど、レスもどんどんお寄せください。 ではでは、この辺で。 金欠に喘ぐ、memento moriでした。またの機会に。 (※1:都合により変動する可能性アリ)
今朝、変な箱がポストに入っていた。 表紙には安い印刷で「じんせい」の文字。その脇には、 「愛、友情、恋愛、楽しくて幸せな生活がここに!」 「生きる喜びを体感せよ!」 なんだこれ。気持ち悪い。外から中は見えず、振ってみても何が入っているかは分からない。なんの身に覚えも無かったので、嫌がらせだろう。開けずに箱は置いておいた。 パートに向かう時間になり、母親が部屋に入ってきた。 「行くついでに捨ててくるからゴミを出せ」と。 大きい袋にゴミ箱をひっくり返してガサゴソやってると、 「なにこれ。」なんて言いながら母親は、床に投げ捨ていた箱を躊躇なく開けた。 「ああ、それ朝………」 ! 急に腹が立ってきた。死ぬほどムシャクシャしてきて机を叩いた。かと思えば、急に寂しくなって、そして悲しくなった。床に崩れ落ち泣いた。情けなく喚き散らした。そしたら何故か恥ずかしくなってきて、泣くのを堪えた。辛い。苦しい。逃げたい。逃げたい。死にたい。するとそのうち、何に対しても乗り気がしなくて、だんだんと退屈になった。つまらない。つまらない。何も楽しくない。 やっぱり幸せなんて入っていなかった。
一日に一つだけ明るい未来を思い描こう それだけでほらなんだか今日が明るくなった気がしないかい?
透明人間なんだと思っていたけど どうやら形があったみたいだ 触れ合って初めて知ったこと 名前を呼んでおくれよ そうしたらきっと 生まれて初めて生きてるって気付いた時みたいに 泣く 上手くいかないのは当たり前だし 何度でも壁の前で音をあげそうになるよ 生まれて初めての人生を 闇雲に生きているだけなんだから この部屋に明かりはない 太陽は僕には眩しすぎるからね でも 幸いは 明るいところにばかりある とは限らないぜ 闇雲の上に星空は広がっているし 光に顔を伏せて咲くあの花は美しい 僕の孤独を君が食べて 君の孤独は僕が食べて 優しい暗闇で 形を教えあって 僕の名前を 君が呼んで 初めて僕は僕になる 世界より君を信じるよ さよなら、透明人間
どうか、死なないで あふれかえる感動的な言葉のなかで、それだけがささった。
鳴りやまない あの言葉が あの一行が あの文字が。 A,本 鳴りやまない あの歓声 あの拍手 あのイントロ。 A,ライブ 鳴りやまない 花火の音 下駄の音 景品が倒れる音。 A,夏祭り 鳴りやまない グラウンドをかける音 体育館に響くボールの音 外にいても聞こえる合奏。 A,部活 鳴りやまない 君だけの着信音 LINEの着信音 君の声 体育館シューズの擦れる音 胸の鼓動 どうしよう 鳴りやまない 君の、きみの、キミの……… 全てが。 A,恋 わたしの夏休み
おはようございます。最近お寝坊が多いmemento moriでございます。 さてさて、先日も書き込みました審査員の件ですが、一応候補者が揃ったと言うことでお知らせしておきます。 今回の審査員は、前回も勤めていただいた[ちょっぴり成長したピーターパン]さんと[fLactor]さんに加え、新たに[稀星-キセ-]さんと[イカとにゃんこ]さんにお願いすることにしました。 さあ、開催もすぐそこまで迫って参りました。僕もひいひい言っております(笑)。 一人でも多くの方々のご参加、お待ちしております。 ではでは。memento moriでした。 が、頑張るぞーい!
ユラユラ フラフラ まとわりついて 邪魔なだけ
「らぶのこと親友だと思ってたのに、こんな形で裏切られるなんて思わなかった」 「え、ごめん。悪気があったわけじゃ」 「悪気があったわけじゃないって!? 親友だったらわかんじゃん……もういいよ。友だちやめよ」 「ごめん。ほんとごめんなさい。新しいの買ってくるから」 「そういう問題じゃないでしょ! もういいよっ!」 テーブルをばしっとたたいて杏樹が立ち上がった。 わたしは黙って、器に残ったとけた氷を見つめた。 「もうこれからシェアなんてしない。翔君もわたしが占有するから。かき氷ほとんど一人で食べちゃったあんたが悪いんだからね。さよなら」 そう吐き捨てるように言って杏樹は店から出て行った。 一週間後、翔君にふられたのでやけ食いするから甘味処につき合ってと言われた。わたしは笑顔で応じた。 「わたしたち、やっぱり親友だよね」 あんみつのバニラアイスを頬張りながら、杏樹が言った。 わたしはところてんをひと口すすってからうなずいた。
親の性欲で産まれ、 身勝手な愛に育ち、 飽きられ、 迷惑がられ、 それでいて彼らの責任に寄生し、 翔ぶことも許されず、 またそんな勇気もなく、 上手に生きる事もままならない。 全てが楽しい事だけなら、生きていたいと思えるだろうか。 辛い事だけなら、簡単に翔べるだろうか。 「先輩。この先の人生が、必ず楽しくなると約束して下さい。」 二つしか違わない後輩の言葉に、僕は何も言えなかった。
こんばんは。そうです。memento moriです。 あつがなついですね。大阪は相変わらずうだるような暑さで、日本一を誇ってたりするのですが(そんなんいらん)、熱中症になどかかっていませんか?僕はこの間夏風邪をひきました。 とまあそんな話はさておき。タイトルにもある通り今回はお知らせです。 第二回ショートポエム選手権、やります。 期間は九月いっぱい等を予定しております。しかし、重大な問題が一つありまして。それは、 審査員がいない。 というわけで審査員の急募です。もしかしたら以前希望の旨を伝えてくださった方もいるかもしれませんが、ちょっと記憶に自信がないので()、再度その旨をお伝えいただきたいです。 その他、「ショートポエム選手権って何?」「夏祭り行った?」「平熱は何度ですか?」等々、何でもレス待ってます。 できるだけ早く決めたいので、ひょっとしたら先着順などになるかもしれませんが、人数はまだ未定なのでどんどんご応募(?)くださいね。 ではでは。花火大好きmemento moriでした。またの機会に。
朝顔がこっちを見てる このサウナのような 場所にふたり 私は 彼との結び目を ゆっくり丁寧に ほどいた 花火が落ちてきた 朝顔はそっちを見ていた。
どうもこんにちは、fLactorです。 きょうは7/31です。終わりますね7月。始まりますね8月。 ということでこのクソ暑い夏休みに心機一転、企画をご用意しました。 長文となりますが、以下が案内状となります。 《ポエム掲示板“夏祭り”のご案内》 ◎ルール ·夏祭りをテーマにした書き込み ·時間帯に沿った書き込み ◎期間:8/1〜8/5までの5日間 ※土日含む ◎プログラム ·常設:各種屋台、花火大会(毎夜七時以降)、展示ブース〜思ひ出の詩〜 ·特設:百鬼夜行(土·日) ◎プログラムに関して(解説) ·展示ブース〜思ひ出の詩〜:過去作の展示ブースです。あなたの過去の夏っぽい作品、お気に入りの作品などを再掲してください。 ·百鬼夜行:土曜日曜は掲示板が稼動しません。それに合わせ、誰もいない祭り会場で妖怪たちに楽しんでもらうというコンセプトのもと、夏の妖怪たちを書いてみてください。長文可。書き込み日時が土曜日曜となるようご協力ください。それ以外の日時に現れた妖怪は……設定次第で楽しくなりそうですね。 ◎来場に関して ①すべての会場、プログラムは言葉のみで構成されます。想像力をご持参ください。 ②時系列を守ってご参加ください。 ③祭り会場はあなたの詩に影響されることはありません。たとえ爆破されても問題ありませんので、存分に暴れまわっていただいて構いません。 ④書き込む場所は制限しません。たとえば会場近くにあるあなたのアパートの一室から、あるいは会場全体を見渡せる展望台からなど、どこでもお好きな場所で書き込みください。 ⑤会場は一であれど、すべてはあなたの想像力次第です。あなたの中にあるまつりの風景を期待しております。 ◎書き込みに関して タグは「夏祭り」をつけてください。 また展示ブース、百鬼夜行へのご参加の際はそれぞれ「思ひ出の詩」「百鬼夜行」をつけてください。 ◎最後に この企画は僕史上最大の企画です。しかし多くの方に参加して楽しんでいただかなければ意味がありません。 この祭りの成功のために、他でもないあなたのご参加を心よりお待ちしております。 実行委員会:fLactor、月影:つきかげ
苗を植えて ゆっくりだけど着実に どぉーんと高くなって ぐあぁーって広がって 太陽を細かく切って 立派な木になりたいなぁ いつになるのやら 知らない間の小さな実 すこぉしずつすこぉしずつ まぁるく あかぁく 食べちゃおうか 切っちゃおうか まだまだ時は足りてない 美味しくなるまで待っててね 体育座りはつまらないから どっかで遊んで来よっかな 疲れてるけどスッキリするまで もうちょっと遊んでいよう 大きな真っ赤な実が落ちる そしたら心もぽっかぽか ほっぺは可愛い真っ赤っか
学校のプールがやけにきれいで 制服のまま落ちそうになった 歌詞なんかに出てくる『君』 なんてのはいなくて 僕はただ、夏の真ん中に ずっとしゃがみこんでいた
あんたは? わたしは天使だ。 じゃあ、俺は死んだんだな。 そうだ。 俺が死んだら、世界の治安は誰が守るんだ。 君は十分活躍したよ。当分世界は平和さ。……幸せな人生だったかね? 幸福とは、痴呆である。 誰の言葉だっけ? 俺の言葉だ。 君のような超人はもう現れないだろう。両親にありがとうだな。 俺の両親は、俺を捨てた。感謝なんてできるか。 君の能力は、先祖代々の遺伝子の集大成だ。先祖の人間性なんてどうでもいいじゃないか。わたしだったら遺伝子をめぐり合わせてくれた両親に素直に感謝するね。 いずれにしても、俺がラストヒーローさ。そろそろ行こうか。 気が早いな。まだいいじゃないか。地上に降りるのは久しぶりでね。もう少しこの世を見物したい。 見るべきものなんてない。あるのは人工知能だけだ。さっさと連れてってくれ。俺はもう戦い疲れたんだ。 人類のたった一人の生き残りになってから百年。いったい君は何と戦っていたんだ? 孤独。 だろうね。 俺の人生って、何だったのかな。 「プログラムだ」 人工知能が言った。
終業式が終わった放課後 人目を盗み立ち寄った 静かな路地裏の喫茶店 なつぞら色に輝くソーダには 真っ白なアイスクリーム その上には甘酸っぱいチェリー ソーダ越しの君が微笑む 愛しくて 恋しくて ストローで空っぽにしたいぐらい クリームが溶ける前に 泡がはじける前に ふたりが混ざりあう前に チェリーは最後のお楽しみ ソーダ越しの君が微笑む 愛しくて 恋しくて ストローで空っぽにしたいぐらい 僕のクリームが溶け 君の泡が弾けた でもその瞬間が、一番幸せ
諦めないことはうつくしくて、だから、もう光らない星、朝の雨、髪を切ったきみ、そういうすべてがとてもすきだ。あいしてると言えない、ただそれだけのせいで、たくさんの不格好な飾りに埋もれていく。こんなふうに消えるために生まれたわけじゃない、透明になれないものばかりが叫んで、勝訴勝訴、勝訴。それでも痛みは権利だ。3周まわってひっくり返った世界なら、出会わなければよかったなんて思わない。
千切りにしていないとキャベツだとわからないそれは千切りだからキャベツだと認識できるっていう話だろぴょん論理的な思考ができないから順序がおかしいんだぴょん。論理的な思考ができないということは、順を追って考えることができないということだぴょん。順序からいえば肉がミルク臭いというよりもミルクが肉臭いのだろうが共感しすぎると論理的に考えられなくなる論理的に考えられないのは群れたい人種なのだぴょん。大人、子ども。天才、凡人。頭がいい、悪い。男、女。善、悪。そんな単純な二分論でものごとを考えているからいつまで経ってももものごとの本質が見えないんだぴょん。土曜の夜の番組は音楽、セットなど、週末らしい演出がしてある。だから土曜日っぽいのだぴょん。 よく脳細胞が破壊されるというフレーズを目にするが脳細胞が簡単に破壊されてしまうのだったら身体の細胞だって破壊されるだろう。君は破壊されたのだ。ばらばらになったのだ。ばらばらに。
貯金が多い人の話より、借金が多い人の話のほうが面白い。
「子どもはピーマンが嫌いである。少なくとも食べていきなり好きになった人はいないだろう。なぜなら子どもの腸内にはまだ野菜のアルカロイドを分解する菌が育っていないからである。野菜の苦味は毒素と考えてよい。もちろん野菜を食べることで育つ。母乳の影響もあるだろうが。 子どもに好き嫌いをしてはいけないというが、そもそも日本人の腸はピーマンなど外来の野菜を分解するのに向いていない。ピーマンやほうれん草が嫌いな子どもがいても蕪が嫌いな子どもはあまりいないだろう。トマトも野生種に近いような酸味の強い種が敬遠され甘い物が志向されてきたのは日本人に合うからである。 ピーマンのような凶暴な文化を取り入れなければ大人になれないのが現代社会である。メタファーとしてのピーマンを、わたしは食べることができたのだろうか」 「おじさん、急いでるから早くしてくれる?」 「はーい。今日は最近、SNSで話題になっているパン屋さんに来ていまーす。……こちらのあんパンは一〇円。こちらのクロワッサンは五円。どうしてこんなにお安いんですかぁ?」 レポーターがマイクを向けると、感情移入を拒絶する爬虫類の目で店主は言った。 「腐ってるんです」 「人類だってバクテリアから進化したものだ。バクテリアにだって意思はある。人間の意思はバクテリアの延長だ。それを自動機械ととらえるかどうとらえるかは自分しだい。バクテリアの記憶も脳の記憶も筋細胞などの記憶も同じものなのだ」 「君がそのバクテリアなのだ」 だそうだ。 久しぶりに銀座に出た。老舗デパートのレストランでフレンチを食べた。料理を写真に撮り、インスタにアップした。 冷たいものが飲みたくなったのでコーヒーショップに入った。学生時代の友だちから、ラインが来ていた。結婚するのだそうだ。適当なスタンプを送っておいた。 父からラインが来ていた。スルーした。 ワンピースを買った。帰宅してから、インスタにアップした。いいねがたくさんついた。 バスグッズを並べて撮影し、インスタにアップした。 髪を乾かし、ネイルを落としながら動画を見ていたら眠くなった。寝不足が続いていたので、早めに寝ることにした。 ベッドに入り、朝から一言も発していないことに気づいた。
これから黒い車を目で追いかけて これからオムライスを食べるたび思い出して これからあの曲聴くたび下手な歌声が流れて これからあの駐車場に行くたびにキスを思い出して これからあの桜見るたび横顔が浮かんで これから届くCDは一緒に聴くって言ってたのに これから私は1人ぐらしするからたまには遊びに行くねって言ってたのに これからはずっと一緒だと思ってたのに。 私がもう耐えられなかった あなたからの言葉ひとつに傷つくことが
通学途中、駅のホームで、わたしを凝視している中年サラリーマンがいるなと思ってよく見たらわたしだった。 そんなばかな、わたしはここにいる、だいいちわたしは男ではない、中年でもない、女子高生だと自分に言いきかせたが、どう見てもその中年サラリーマンは自分なのだった。 中年サラリーマンが近づいてきた。 「僕じゃないか、何やってるんだ。こんな所で」 わたしはショックで言葉を発することができなかった。 「まさか僕の前に現れるとはね。……とにかく家に戻ろう。まいったなぁ、今日会議なのに」 中年サラリーマンがわたしの手を握り、引っ張った。わたしが振りほどこうとすると、中年サラリーマンは声を荒げて言った。 「いい加減にしろ! 君は僕なんだぞ」 「どうしました?」 若いサラリーマン三人組がわたしたちの間に割って入った。 「いや、この子が……」 中年サラリーマンが説明しようとする。 「お知り合いですか?」 三人組のなかの先輩っぽいのがわたしにきいた。 わたしは首を横に振った。 先輩っぽいのが目くばせした。中年サラリーマンは、後輩っぽい二人にがっしり肩をつかまれ、先輩っぽいのに先導される形でホームから消えた。 電車に乗り込むと、一気に力が抜けた。わたしはバッグからコンパクトミラーを取り出して開いた。わたしが映っていた。わたしはわたしだった。もう大丈夫。
汗をかいた4頭身のサボテン とおい砂漠を夢みて 朝 生まれたことを祝福されるたび とてもみじめになる気がした ぼくには羽根がなかったので 昨日と昨日と昨日が散らばった部屋で みんなみんな ひとりでいるつもり 間違って拾った他人の明日を投げ捨てる だれにもわからなくていいの だれのこともわからないので 切りすぎた爪で言葉を引っかいて つぎの朝までさようなら 空の見えないところで歌いたいね だれにも羽根なんてなかったので
「わたしは流行に左右されないの。 って。 むかしの流行引きずってるだけでしょう。 つまりだからあなたも流行に左右されているのですよ」 知をともなわない想像を妄想という。 ある先進国の出来事。自己効力感が得られる場所が職場以外にない五十代の男がつい暴走してしまう。派遣社員の若者に声を荒げて五分少々、ヤンキーが因縁つけるがごとく詰め寄ったのだ。したらさすがいまどきの若者、すぐには反撃せず、その場から逃げ、男の上司に相談。男は上司より年上であることもありなかなか興奮がしずまらなかったが、なんとかなだめられその日は落ち着いた。 さて翌日、男は上司に呼ばれ、上司のさらに上司に叱責される。もちろん男は納得いかない。悪いのはあの若者だ。だいたい日頃から態度がなっていない。社会の先輩として教育してやらなければ。と、若者をいじめるようになる。若さに対する嫉妬があるから執拗さがパない。若者は退職する。 一年後、クーデターが起き、先進国は軍事国家となる。クーデターのリーダーは例の若者。若者は、五十代になったら試験をパスしないと若者に発言できないという法律をつくる。男は、不満分子としてとらえられ、処刑されてしまう。 エピソードに言葉のタグづけをすることで記憶は長期にわたって保存される。 人口の少ないところに住んでいたら自意識過剰にならざるを得ない。
この溶けだしそうなほどの暑さで君が死んでなくてよかった
赤い紅で花を咲かせて 良い香り? 冗談じゃない 水やりは貴方の仕事 花の匂いは知らないの 私、美しさなら知ってるわ