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現実逃避

私が好きだった彼女は未来の話を私に話したことがなかった。
「人はどうして将来の話をすることを好むのだと思う?私はそれがずっと理解できなかった。今にも消えるかもしれない明日を、未来を何故勝手に思い描くのだろうってね。だけど今何となくだけれど分かった様な気がする。皆逃げてるんだよ。きっと。結局今が幸せだから、幸せが壊れるのが怖くて。「これから」が消えるのが怖くて。その逃げ道として空想の未来を造りあげる。人間の本能だから無意識なのだろうけど。これは私の勝手な妄想。でも何処か確信を持っている自分が居る。

「今の私がそうだから。」

最後に消え入りそうな声で彼女はそう呟いた。

ps.140文字大幅に超えてしまいました…

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