「…え、私?」 幼馴染は戸惑った様に自分を指差した。 運動会、種目は借り物競走。 「紙に仲の良い人って書いてあって…」 へどもどしながらそう言う僕に、幼馴染は何かを確かめる様にじっと僕の目を見つめる。 「行くよ」 情けない──幼馴染の跡を追いながら、僕は“好きな人”と書かれた紙を握り潰した。