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Tale of SOS (小説・前編 )

明日の明日、ずうっと明日。
これは、遠い遠い未来のおはなし。

遥か先の未来。全ての『色』を失い『終わって』しまった世界の果てで、とある四人の仲間たちが暮らしていました。
歌唄いの青年。鍵盤弾きの女性。弦楽器弾きの青年。そしてお調子者の道化師。
音楽が大好きだった彼らは、毎日音を奏でながらモノクロの世界を生きていました。

ある日のこと。突然空から、大きな光が地上に降りてきました。
不思議に思って彼らが駆け寄ると、そこには今まで見たことのない、得体の知れない『化け物』が倒れていました。彼らはその化け物を見て、目を見合わせました。
何故ならその化け物には彼らの知らない、
『色』があったからです。

ある日突然現れた、色とりどりの長い毛に覆われた化け物。
白と黒と灰色しか知らなかった彼らは、『色』がこんなにもたくさんあったことに驚き、この不思議な化け物と仲良くなりたいと思いました。
しかし化け物は彼らを怖がっているのか、なかなか近づいてきてくれません。
そこで彼らは、大好きな音楽を奏でることにしました。歌を歌っていれば、いつか興味をもって近づいてきてくれるかもしれない。そう信じて、彼らは毎日音楽を奏で続けました。

くる日もくる日も、彼らが歌を歌っているうち。
化け物はだんだんと近づいてくるようになって、ついには毎日そばで彼らの音楽を聴くようになりました。

化け物は彼らから初めて『音楽』というものを知りました。
彼らは化け物から初めて『色』というものを知りました。

彼らは音楽の他にも、化け物にいろいろなものを教えました。
『文字』を教えました。彼らと化け物は、心を通じ合わせられるようになりました。
『踊り』も教えました。彼らは毎晩火を炊いてその回りを囲んでは、朝まで歌って踊り続けました。
彼らと化け物が仲良くなるのに、そう長い時間はかかりませんでした。

後編に続く

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