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小説the dinner④ ―plate―

「こちら『三色野菜と山菜盛り合わせサラダ』でございます」

コトン、と料理の乗った皿がテーブルに置かれる。まずは前菜のようだ。色鮮やかな緑黄色野菜が目をひいて、食欲をそそられた。琥珀色に透き通った液体が、ぐるりと回しかけられる。
「このドレッシングは当店特製なんです。どうぞ、お召し上がりください」
そう説明がなされて、ナイフとフォークが目の前に置かれる。
「じゃあ、いただきます」と青年は少しおずおずとしながら、サラダを口へ運んだ。
「…! 美味しいっ」
しゃきっとした瑞々しい野菜と香ばしい山菜が、口の中で弾けた。程よい具合にかけられたドレッシングもーー何とも形容し難い独特な風味だったがーーそれがまたサラダの味を引き立てていて、やっぱり、美味しい。
「お気に召したようで。何よりです」
横で執事がにこにこと嬉しそうに微笑む。
「ただいま次の料理をお持ちします。しばしお待ちを」

***

更新遅くなりました。

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  • 長文失礼します
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