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For The First Time In Forever 2

ワタリドリ、伸びやかな洋平先生の声は、高く高く昇っていくイメージを抱かせた。一斉に跳ねる私たち観客は、まるでひとつの生き物のようにうねり、叫び声をあげ、無数の腕を伸ばした。
Girl A、けたたましいサイレンに、更に気分は高まっていく。私じゃないから、私じゃないから、と、歌っていたのか叫んでいたのか。いずれにせよ私が吸える酸素はどんどんどんどん少なくなっていった。
Kaiju、鋭いリズムが刻まれ、高揚した気分はとどまることを知らない。白井先生のギターに酔いしれ、洋平先生のラップは比類なくカッコよかった。
Kick & Spin、ここまで来てもまだアップテンポ。先生たちはどれだけ観客の叫びが聞きたいのだ。どれだけ狂わせて、どれだけ躍らせれば気が済むのだ。だがそれに馬鹿みたいに応えていたのは紛れもなく私たちだった。それと、洋平先生、マイクは咥えるものじゃないです。
Adventureのコール&レスポンス、煽られては叫び返すしかない。白井先生の両耳に両手を添えるあの仕草はやっぱり可愛い。
Starrrrrrr、それは大好きな大っっ好きな曲だ。泉大津の夜空に星は見えなかったけれど、音のひとつひとつが綺羅星のごとく美しかった。辛い時に支えてくれるこの曲を、目の前で聴けることに、そのあまりにも大きな幸福感に、涙が溢れてきそうだった。磯部先生の叫びが、身体中の血液を沸騰させるようだった。歌った。何度も何度も歌ってきたその歌詞を、周りの誰にも負けぬように、歌って歌って、先生たちに届くように。音程なんて定まったものではなかったけれど。
Adventureの2番のサビが、夏の夜の蒸した空気に響いた。山脈は、が、大阪は、に変えられ歌われた時、思わず笑顔になった。私は大阪の人間じゃないけれど。

まだ続きます。

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