表示件数
0

コーヒーブレイク⑧

別れは突然に。
この町に来てはや3年。就活生の僕。
でも就活はなかなか上手くはいかない。1週間前に受けたのでもう8社目。
元から無いにしろ自信が無くなるよ。

それでも毎朝あの喫茶店に顔をだす。

「おはよ。...どうだった?」
「...7連敗。」

少しの間があく。それでもこのやり取りは7回目
店主も慣れてきてる。

「ほらよ。いつものだ。」
「ども。」

今日もこの珈琲は僕の体を巡り温める。

翌日の朝ポストからはみ出た茶色い封筒を見つけた。今回もどうせ。と思いながら取り出す。

なんだろう。当初のワクワク感はもう無い。
中の紙を取り出す。そこには見慣れない文字が。
少し大きめに”採用”と。なんかその文字は堂々としてた。
頭が真っ白に。感情は感極まる。パジャマのまま喫茶店に。扉の鐘の音もどこかせわしく聴こえた

「...お、おはよ。どうだった?」
息を切らして入店した僕に少し驚いたよう。
「...や、やったよ。やったんだ!就職だよ!」
店主は喜びの微笑みを見してくれた。
「そうか。なら今日はおれの奢りだ!」

「で、どこに決まったんだ!?」
嬉しそうに僕に問いかける。
「あぁ。ここからは少し離...れた...所...に。」
あれ?離れた所?うん確かに結構離れた所だ。
あれ?じゃあ何?この喫茶店には暫くこれないのか?
...あれ?あれ?あれ?

その言葉に僕と店主の顔から微笑みを少し失った

別れは突然に。
本当によくお世話になるなこの言葉は。
店主のどこか悲しげな顔に罪悪感を覚えた。

6

雨上がりの、

雨上がりの匂いがした

いつもより遅れてやってきた朝には
誰かの夢が、まだ寝息を立ていて

水溜りをちょん、と
飛び越えたあの子のスニーカーは
丸洗いされた世界を楽しんでいる

あなたと、わたし
雨に降られた日を
きっとわたしは忘れはしない


((初めましての方にも、お久しぶりの方にも。またお会いしましたねという方にも。noakoと申します。
すっかり秋色に染まって、もうすぐ冬がやって来る気配がし始めた今日この頃ですが、わたしの住んでいる所では最近、雨がよく降ります。
わたしはずっと、雨の日は憂鬱でたまらなかったのですが、このポエム掲示板に出逢って、たくさんの方の雨の日に紡がれた言葉に出逢って、180°雨の日の世界が変わって見えるようになりました。
そんな経験をしたのはきっとわたしだけじゃないはず、なんじゃないかなぁ、と。笑
そこで、皆様の雨の日の素敵なポエムに『雨天同好会』というタグを付けて紡いで頂きたいのです!ぜひ!よろしくお願い致します!!※強制ではありません!
既に雨天同好会のタグをご使用頂いた方のポエム、こっそり拝読させて頂きました!レスを書くことができず申し訳ありません(;_;)この場を借りて、感謝を。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!))