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Poison

「貴方のことが嫌いです。嫌いです。」と
呪文のように言い続けていたら
いつか嫌いになれるのでしょうか
特別にしていた気持ちを
丸ごと全部すり替えて
大嫌いに替えてしまおうか

そんなことをしたって
また独りぼっちになって
哀しくなるのは分かってる

分かってるよ

棘を生やした心のままで
貴方は分かろうとするのね
私の全てなんて分かる訳がないのにね
棘が生えてくる 私に
何と声を掛ければいいのでしょう

「貴方が好きなのはこれ?それともあれ?
 何なの?はっきり言ってくれよ!」
いつかを信じて言わずにいるの
私の笑顔の裏側に
隠されているのが棘だと
貴方は知らないの 馬鹿みたいね

こんな毒吐いたって
貴方に届くはずなくて
欲しい言葉ももらえずに

虚しいね

棘を生やした心で 貴方は笑って
傷つけようと近づいてくる
そういうのは飽きたんだよ 嘘つきめ
傷だらけの私を どうか
温かい言葉で癒してよ

信号が赤に変わる 進め
嘘100%の言葉なんか無視して
もういいの 希望を何とか見出して
空を飛ぼうか ここからその先へ
その先の地獄の果てまで

棘を生やした心のままで
貴方は分かろうとするのね
私の全てなんて分かる訳がないのに
何を言ってるの。
棘の生えたこの心に
どうか貴方の救いの手を差し伸べて。
傷だらけの心を
どうか壊さぬように抱きしめて。

2

魔法

るなちゃん、起きなさい。遅れるわよ。
頭痛いから休む。
またぁ? 先週も休んだじゃないの。ああもうお母さん行くから。ごはん食べたらかたづけお願いね。

はぁ。
子どもが自分に似ていようが似ていまいが、自分が育てられたのと同じように子どもを育てる親がほとんどだ。甘やかされて育った親はやはり子どもを甘やかして育てるのだ。
あなただぁれ?
わたし、納豆の精です。なんだかお悩みのようね。
高校に入学して二か月になるのに、友だちができなくて。毎日ひとりでお昼ごはん食べるのがつらいの。
なんだ、そんなこと。まかせて。わたしが魔法でなんとかしてあげる。

るなちゃん、お弁当いっしょに食べない?
あ、うん。
るなちゃんお弁当食べよー。
うん。
るなちゃん、こっちで食べよー。

どうだった?
……楽しかった。でも、もう魔法といてほしい。なんか、こういうの、違うかなって。
大丈夫。魔法なんてかけてないから。
えっ!?
みんなが声をかけてきたのはあなたが自然体で振る舞えたから。つまりあなたの実力よ。じゃあね。
……ちょっと、あんた……待ちなさいよ。
はい?
よくも騙してくれたわね。
え? え? え?
これでもくらえ! 必殺……女子高生ビーム!
うっ……やられ、た……。