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過去

君がいるだけで良かった。
君が笑ったら全て成功だった。
進路とか、将来とか、夢とか、
君がいればなんとでもなる気がした。
君がいれば僕はなんでもできた。
君のためなら死ねた。
でも君の顔を見るため、
君の声を聴くため、
君を笑わせるため、
君を愛するため生きていた。

君はモテたし、
僕は変人として有名だった。
君に彼氏ができた時も、
僕は君の友達だった。
卒業式のツーショット、
僕は携帯を持ってなかった。
僕は君の携帯にまだいるのかな。

中3から喋る機会も減った。
高校に入って僕は、
夏の空を見上げて、
冬に白い息を吐いて笑う君を、
顔くしゃくしゃにして笑う君を、
僕は1人思い出す。

毎日2人で帰った帰り道、
君から誘ったのに、
一度も意識してなかったじゃないか。

夜、
家を抜け出して
街灯の下で聞いたポルカのリスミーが、
僕をタイムスリップさせる。

女の子に告白されたこともあった。
友達とたくさん遊んだ。
馬鹿もした。
受験も成功した。
君が、
君だけが、
部活後に駐輪場で待ってる君が、
街灯の下で笑う君が、
ありがとう、またねって言いながら、
家に入っていく君が、
君だけが、
君だけがいないから、
この4年間、
僕の毎日に色はなかった。
このまま色がつかないかも知れない。

どうしてくれるんだよ。
君のせいで生涯独身だよ。








愛してた。
他人の恋愛が全部子供の遊びに見えるくらい
自分がなにをしでかすか怖いくらい
愛してた。


愛してる。
好きだ。
ありがとう、またね。