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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

「今は降ってないみたいだけど、雨、ひどいね。」
私は窓枠に手をかけ外をみていたので、ふらっと現れた先生にそうなげかける。

『怖いか?』
顔を覗き込むと、いつものように腰掛ける。
「怖くはないけど、なんか7年前の災害と同じくらいの雨が降るんだって。」
『ここも地球温暖化の影響を受けてるのかもな。』
「うん。雨は好きだけどここまで降られるのは困る。」
『この感じだと郵便も当分来ないな。』
「あぁ、梟さん?あの子達先生のとこ来てたんだ。」
『そりゃあ、魔法に使う道具はこっちに売ってないからな。』
今日は私も先生と同じ向きで座る。

「また先生の魔法見たいな〜。」
『そろそろ、アルの魔法も上達したんじゃないか(笑)?』
「そうね(笑)、アルの魔法が先ね(笑)。」
『楽しみにしとくといい(笑)。』
“勝手に約束しないでくださいよ!”
ムスッとしたアルがでてくる。

「いつからいたの?」
“君が座ったあたりかな。”
「あ、あと、ムスッってしてたけど、約束してたよね?魔法見せてくれる約束したよ!?」
“え、嘘?いつ?”
『してたよな。』
「だよね!!」
『どっちみち魔法を見せなきゃだ。』
“え〜…。”
「手伝ってあげるから。」
“じゃあ、夏休み中にはなんとかするわ〜。”

『ちょろいな(笑)。』
アルは魔法の段取りをしていたので、それを横目に先生は耳元で呟いた。

私は、この雨が止んで3人の上に虹がかかる事を祈った。

5

続・旱天慈雨

はっきり言って複雑な心境である
仲が良いのは知ってはいたが、まさかこんな三角関係がリアルに存在したなんて…
しかも自分が中心になるなんて想像もしなかった。

“ねぇ、こんだけ言ったけど改めて…
付き合ってください…”

もちろん断ることも出来る…
でもそうしたら…
多分あの人は彼女の気持ちを知ってたから振った
そう思えばこそ、失恋にも向き合える…
なら…ここの答えは二つに一つ…
「はい…よろしく…って言えばいいのかな?(笑)」

“やった!…嘘みたい…”

「ほんとに僕のこと好きなの?」
あの涙を見ているが、疑わずにはいられなかった…

“あのさぁ、さっきまで下手に出てたからもう言わしてもらうけど、自尊感情無さすぎ!さっきも言ったでしょ?「自分に彼女できない」なんて言わないで”

“自虐は自分だけじゃなくてあなたを好きでいてくれる人も傷つけるんだよ!”

この言葉にハッとさせられた…
あぁ、怖かったんだ…
誰かが傷つくのが…
自分が傷つけば誰も傷つかないと思ってたんだ…

感謝の意も込めて初めて人を抱きしめた。

別に欲している訳ではない…
でも潤いを知ると乾いていたことに気づかされる…

どんなに乾いてもいつかは潤いが巡る
そんな慈悲の雨を待つのも悪くはないか…

fin