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〜二人の秘密〜長文なので時間がある時に読んで下さると嬉しいです!

「うわ、先生見つけた!!!」
私は先生を見つけたのでとりあえず駆け出す。
『なんだ?うわって。嫌みたいじゃないか?』
「違う違う!!聴いてほしい話があるの!!」
『こんなとこで話すのもなんだからいつものように窓に座って話そう。』
先生がそう言ったので、いつもの廊下を通り窓の前に向かう。

『なんだ?聞いてほしい話って?』
「授業の話!!」
私はそう言いながら座る。
『授業?』
「なんで先生、私のクラスの授業担じゃないの!?」
私がそう言い終わる頃に、隣に腰掛ける。

『しょうがないだろう?私が決める事ではないんだから。』
「む〜。先生じゃないからやる気でないよ!!死んだっ!!!!」
『そんなこと言わないでくれ。』
私は更に先生を困らせてみる。

「これで成績落ちたらどうするの!?」
『ならば私が居残り授業をしてやろう。』
「一対一?」
『あぁ。』
「先生の部屋…?」
『あぁ。』
「じゃあ許す。」
『あぁ。…ん?これならいいのか?』
「先生、今適当に返事してたな!!」
『いや、ついつい流れで(笑)。 』
「も〜。忘れないでよね、居残り授業(笑)!!」
私は先生の横で笑う。

『授業のあとに、同じことをすればいいんだろ?』
「そうね!わかりやすくね(笑)?」
『わかった、わかった(笑)。』
私は長い髪の毛を耳にかける。
「これから授業に全部出れるかどうか心配。」
『保健室登校みたいに、私の部屋に来なさい。かくまうことはできるぞ(笑)。』
「それ、私の成績落ちるやつじゃん(笑)!」
『そこはなんとかするさ(笑)。』
「まぁ、頑張らなきゃね(笑)!」

私は笑いながら先生の横顔を眺めた。
そして、いつものようにおかしくて笑えるような雑談をした。

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1月1日君と一緒に No.9 ~結花Var.~

家に帰ってきた。何とも言えない気持ち。
これ、開けてみようか。
袋をビリビリ破っていくと、アルバムが出てきた。それも、新品のやつ。
開けてみると、手紙らしきものが入っていた。

『結花へ
今までありがとう。少し長くなるけど、最後まで読んでね。
私は、友達なんかいらないって思ってた。ずっと一人で良いって。でも、あの日結花が声をかけてくれて、変わった。素直に、この人と友達になりたいって思ったの。でも、その後すぐに転校の話が出て私は、すごく悲しくて、寂しくて、泣いた。何回も。もっと一緒にいたいって思った。○○の話ももっといっぱいしたいって思った。
ごめんね。こんな早くに。また絶対会えるって信じてる。
アルバムは、空の写真を撮って入れてほしいなって思ったの。○○の歌詞に、[離れていても、空はどこまでも繋がっている]ってあるじゃん?それがすごく好きで、私たちみたいだな~って思ったの。それで、毎日でも気が向いた時でも良いから撮ってほしい。それでこれに入れてほしい。この空の向こうでお互い頑張ってるって実感してほしいな。
本当に今まで楽しかった。転校先でも頑張るから、結花も頑張ってね!大好き!
Sweet dreams!!
小春。』

読み終わった後の私は、嬉しさもありつつ、絶句した。

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1月1日君と一緒に No.8

でも、時はあっという間に過ぎていった。
ここがまた、まじめな顔で言ってきた。
「夏休み中に引っ越す」
覚悟はしていたから、今度はそれほど悲しくはなかった。私は平常心を保って言う。
「うん。分かった。あと2週間か…」
あと2週間。私たちは"今”を大切に過ごした。
運動場を駆け回ったり、授業中に手紙を回したり、カラオケや映画館に行ったり。
本当に色々なことをして楽しんだ。

そして、当日。お別れをしに私はここの家を訪ねた。もう荷物などはない。すっからかんだ。
「もう、バイバイだね。寂しいな」
「そうだね。…あのさ、これ」
私は持ってきたものを差し出した。手のひら2つ分より少し大きいものだ。
「何?」
「今、開けないで、私がいないときに開けてみて」
「分かった。…あ、ちょっと待ってて」
パッと立って、部屋を飛び出していった。
「私も、これ。同じように開けないで」
それは、私が渡したものより、結構大きかった。大きさなどよりも、向こうも用意してくれていたということが嬉しかった。
「ありがとう」とお互いお礼を言って、外へ出た。
泣かないと決めていたのに、もうお別れだということを実感して涙が出てきてしまった。ほとんど同時にここも泣き始めた。
「本当にありがとう。本当に楽しかった。絶対また会おうね」
「こっちこそ本当にありがとう。結花がいてくれて毎日が充実して楽しかった。離れるけど、○○のこともいっぱい話そうね」
「じゃあ」
「じゃあ」
私はここに背を向けて歩き始めた。
振り返りはしなかった。もっと涙が出てしまうから。

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1月1日君と一緒に No.2

「うっそ。○○知ってるの⁉」
「え?あっ、うん。そっちこそ知ってるの?」
「うん!うん!ちょっと後で話そう!」
自己紹介の後もそわそわしすぎて先生の話が全く頭に入らなかった。
○○というのは4人組ロックバンドで、デビューはしてるけど世間には知られていないバンドなのだ。
チャイムが鳴るとすぐに彼女の席に行った。班が同じなのだから近くて当たり前だが2歩で着いた。
「えっと…さっきも言ったけど、結花って言うの。普通に呼び捨てで呼んでくれていいからね。○○、私大好きなの!ここちゃん?は何の曲が好きなの?」
「あ、ここでいいよ。私は『together with you』かな。歌詞が好きで」
「あ~!いいよね!私『One day we』かな。これも歌詞がいい!っていうか本当に全部良い曲だよな…」
「そうだよね。私存在が薄いから、でもそういう時に○○の曲聴くとこれでもいいんだって思わせてくれる」
「分かる!あのさ、次の時間も話さない?」
こうして今に至る。私たちはすっかり仲が良くなった。向こうも徐々に心を開いてくれ、関西弁になった。それに安心して私も関西弁になった。
これまでにも友達はいたがこんなに趣味の合う友達に出会えたのは初めてだ。
今が1番、幸せな時間だ。

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