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CHILDish Monstrum:カミグライ・レジスタンス キャラクター紹介

・フェンリル
性別:男  外見年齢:16歳  身長:160㎝
特殊能力:行動の全てが破壊に帰結する
DEM社の地下深くに幽閉されているモンストルム。「破壊力」は「強さ」。無数の拘束具でガッチガチに拘束されているものの、ほぼ無意味。何なら彼の能力で全滅していてもおかしくないので、気を遣っているまである。自分に邪魔な錘を付けて閉じ込める人間は嫌いだが、暴れた分だけ喜んでくれるから人間を守ることは好き。拘束具は邪魔だから嫌いだが、武器になるから好き。正直脱走しようとすれば余裕で出られるし嫌いな人間たちに迷惑かけられるからアリだとも思っているけど、今の生活も好きなので別に逃げない。

・スレイプニル
性別:女  外見年齢:16歳  身長:166㎝
特殊能力:超高速で移動する
DEM社の地下深くに幽閉されているモンストルム。「速度」は「強さ」。無数の拘束具でガッチガチに拘束されていたものの、フェンリルに解放された。好きなことは走ること。普段は隔離施設の廊下を爆走している。できることなら永遠に走り続けていたいのだが、速度があり過ぎて周囲への被害が尋常でないので、あまり走らせてもらえない。そういうわけで人間は嫌い。恩人であるフェンリルが脱走しないので自分も我慢しているが、脱走派が多数派になった瞬間脱出する準備はできている。

・デーモン
性別:男  外見年齢:15歳  身長:155㎝
特殊能力:人間の望みを叶える
DEM社の地下深くに幽閉されているモンストルム。「実行力」は「強さ」。人間大好き派で能力も対人間のものだが、「受けた望みをどう叶えるか」にちょっとした問題があってあまり表には出せない。別に脱出しても構わないとは思っているけど、それをして嫌な気分になる人間もいることは理解しているので逃げたくない。

・ベヒモス
性別:女  外見年齢:14歳  身長:150㎝
特殊能力:自身の質量を変える
DEM社の地下深くに幽閉されているモンストルム。「質量」は「強さ」。初めて戦場に出た際、ちょっとやらかし過ぎて閉じ込められた。そのせいで人間は大嫌いだし逃げ出したい。それはそれとして一般人が危ない目に合ってるのを放っておけない程度には良識と正義感ある、良い意味で普通の子。割とタフいけど、もう二度と戦いたくないです。守ってもらう側になりたい。

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CHILDish Monstrum:Escapers

 すっかり荒んだビル街を、二人の少年が和気藹々と歩いていく。
 苔むした国道にツタの這い散らかした摩天楼。かつて世界でも指折りの大都市だったらしいこの街は、人より鳥の数のほうが多くなって十数年経つ。そんな街路に二人のはしゃぎ声はあまりにも異質に響いた。
 「……で、その時の遺骸から摘出された第二頸椎が、どうも新しく開発される武装具の核になるらしくてな」
 「へぇー、それ本当に効力あるの?」
 「さてね。大方単なる“アヤカリ”ってやつなんだろ。極西のやつらの考えることはわからんな。」
 「何言ってんの、てっぺいもそういうことするでしょ」
 「てっぺい言うな」
 そう言うと、『てっぺい』と呼ばれた少年は足もとの瓦礫の石ころを軽く蹴飛ばした。暗い赤髪の長い襟足が揺れる。
 「はるばるヴェスプタくんだりまでやってきてなんで東洋風な名前で呼ばれにゃならんのだ」
 「くんだりって、俺たちの前任地よりよっぽど大都会でしょうが」
 「この廃墟ぶりを見ても大都会と言うか、たろうはよっぽど辺境の出らしい」
 「だからたろうやめろって」
 『たろう』はパーカーのひもをプラプラいじりながら答える。淡い青の背中には大きな毛筆の字で「防人」という字が踊り、その左下には小さく「でぃふぇんちゅ」と書いてある。いくら僕が、バカっぽく見えるからもう少しましな服を着たら、と提言しても「かっこいいっしょ?」と全く馬耳東風だ。お好きに。
 「ねぇえぇ、松永が言ってた“絶景スポット”ってまだ着かないの」
 振り返りながら嘆く『たろう』。
 全然先だよ。というか行程の二割も歩いてないんだけど。あっ、露骨に不機嫌そうな顔をするんじゃない。旅行だ遠足だってはしゃいでいたのは君じゃないか。
 「そうはいうけどさぁ、もうそろそろビル見飽きたもーん」
 「昼でも薄暗いのには確かに参るな。このビル街はどこまで続くんだ」
 もうじき開けた道に出るよ。そう言って僕は左腕のデバイスで昨日の晩インストールしておいたマップデータを確認する。三つの緑のバイタルシグナルが点滅しながらゆっくりと太い白線をなぞっている。
 「ほんと!じゃあそこまで行こう!早く早く!」
 「おい待てッ、いきなり走り出すんじゃない!」
 騒ぎながら駆け出していく少年二人を、僕は見送りながら後を歩く。まるで中学男子だ。

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