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LOST MEMORIES CⅩⅡ

英人は頷いた。
「ついこの前。人間界に来る前、だが。
だから、イニシエーションなんておかしいんだ。」
「あら、英人くんまだいたの?心配なのはわかるけど、休ませてあげなさい。」
戻ってきてしまった先生。
瑛瑠は驚きすぎて言葉がでない。
英人はすみませんと応え、今度こそ出ようとする。
はっと思う。随身具無しにワーウルフの魔力を浴びてしまうことになるのではないか。それでは、危ない。
ここには無関係の先生がいるため、変な言葉やものの名前は出せない。ということで、名詞の名前は伏せて英人に伝える。
「英人さん!私に貸していただけるのはありがたいですが、あなたが持っていた方がいいと思います!だって――」
「僕は大丈夫。」
何を根拠に大丈夫なんて言っているのだろうか。
「お大事に。」
その言葉と指輪を残して保健室を出ていってしまった。
「英人くん、あなたにゾッコンねえ……若いって羨ましいわ。」
黙って眺めていた先生は、書類を整理しながらそんなことを言った。
さらに取り違えた瑛瑠が、
「自己犠牲に同情してくれたのかもしれません。」
なんて返すものだから、これは前途多難だわとため息をつかれる。
指示されたベッドに入り、先ほどの会話を思い出す。
すでに成人を迎えた英人が、イニシエーションと称されてここへ送り込まれた。もはや通過儀礼でないのは一目瞭然。ついこの前成人を迎えたということは、瑛瑠と年は変わらないだろう。なぜおかしいと知りつつ英人は来たのだろうか。
やはり、今日話したかったと悔しい気持ちでいっぱいになる。瑛瑠の力を認めてくれたから、声をかけてくれただろうに。
お礼を伝えるのを忘れたな,そんなことを思いながら、ふっと目を瞑り、眠りに落ちる。
そして瑛瑠は、夢を見た。

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『明日がくるのがこわいんだ』

夜になるといつも思う

これから私、生きていけるのかなって

一人暮らししてバイトして

金が足りなくなって家に住めなくなったら、どうしようとか

今はなんとか、楽しみがあるから生きれてるけど

大人はよく、時が経つのが早いと言う

もし、それが本当だったら

いつ死んでもおかしくないなって思った


後悔しないように頑張らなきゃな

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四季彩

春、新たな出逢いの季節
夏、二人の仲が深まる季節
秋、寄り添い近づく季節
冬、恋の新芽が芽吹く季節

結局全部恋に繋がるじゃんかよ。

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認めて。

認められたい
ダメなこともたくさんしたことがある
人の心も盗めたらいいのに。

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LOST MEMORIES CⅩⅠ

混乱する瑛瑠。全く状況が飲み込めない。
「え、あの、これって」
「左手の薬指は心臓に直結している。その指輪が、きっと君を守ってくれる 」
瑛瑠に最後まで言わせずに英人は言う。
「おかしいと思わなかったか?君だけ体調が悪くなるなんて。僕が何型かは知っているだろ?」
たしかに、ウィッチもヴァンパイアも同じ特殊型である。てっきり、瑛瑠へ向けられたものだからだと早合点してしまっていたが、あの様子を見ると英人への嫉妬心も少なからずあったように見えた。英人が望の力の影響を受けてもおかしくなかったのに。
「それが守ってくれていた。」
思い当たるのはひとつしかない。左手を翳しながら聞く。
「まさか、随身具ですか?」
「ああ。」
瑛瑠はふと考える。
「……ちょっと待ってください。
英人さん、成人してらっしゃるんですか!?」

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体育館の横で

僕が発した音で
君が泣いた
少し怖くなった
僕には誰かの感情を揺るがす権利があるのか、
同時に キラキラと光るものも見つけた。

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ふと、

できるだけ楽に生きていきたい。

でも、時には挫折をあじわってもいいんじゃない?って思ったりする時がある。