表示件数
0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ㉒

「え⁈」
わたしはいつの間にか自分の後ろに隠れていた坂辺さんの方を見る。
坂辺さんは帽子を深く被ってうつむいたままだ。
「そこなお嬢さん、ちょっと顔を見せておくれよ」
師郎はそう言ってこちらへ近付き、坂辺さんの帽子を取った。
「‼」
帽子の下から淡い緑色に光る目が現れた。
「ほーらやっぱり」
「やっぱりか」
師郎と耀平はそれぞれ呟く。
「…アンタ、何者だ」
ネロは訝し気な目を彼女に向ける。
彼女は想定外の事態に暫くおどおどしていたが、やがて途切れ途切れにこう言った。
「わたしは”ヌリカベ”…」
向こうにあるモノを認識できなくする”壁”を作り出す異能力…と消え入りそうな声で彼女は続ける。

2

ひとりごと。

12月の終わりも近づいてきました、寒いです
最近あんまり来れてなかったし、ここから年末までも来られるか怪しいので、突然ですが、2022年の振り返りをしようと思います
ひとりでどーこー振り返るだけなんですけれども、よかったら読んでいってください

私の中の大きな出来事として、2月に受験がありました。前のアカウントの頃ですが、受験応援ポエムを色々投稿しました。
合格して、それからは、、あんまり覚えてないですね笑、全体的に、恋のポエムを書いていました。
今から見るとすごく恥ずかしいですね!!
いや今も恥ずかしい…来年こそは頑張ります…

この1年で嬉しいことも楽しいことも、悲しい時間も苦しい時期も、ぎゅっと密に経験してきました。とても満たされた1年間だったと感じています。
これらの日々を言葉に表すこと、抽象的なものを、脳内の語彙をひねりにひねって言葉に絞り出す力は少しはついたのかな、、ついたということにさせていただきましょう!

それから個人的な感想なのですが、2022年は掲示板での交流が活発でしたよね
スタンプをたくさん押していただいたり、レスでやり取りをしたり、他の人のことを身近に感じることができて嬉しかったです
特に今年は感想をレスしていただく機会が増えて、本当に私のポエムが届いているのだな、と感動していました。
来年は私もレスしていこうかな、と思ってます(突然お邪魔するかもしれませんがよろしくお願いします)


相変わらずまとまりのない文章ですが、長くなってきたのでこの辺で。
普段私のポエムを読んでくださっている方々、ありがとうございます
より成長した自分で、よりまっすぐに言葉を伝えていけるよう頑張りますので、これからもよろしくお願いします。

La-la.

0

ユーラシア大陸縦横断旅64

霧に包まれたタワーブリッジを渡り、第二次大戦中に対独戦のエースとして活躍し、ドイツ降伏後は対日戦に備え対空装備を充実させたが装備が整うまでに終戦を迎え、戦後には博物館としてロンドンに係留されて保存された歴史を持つ元軍艦の博物館船HMSベルファストに入る
甲板に出てみると彼女は川の対岸に広がる中世の伝統に則って建てられた歴史的建造物群に見惚れている
俺はというとそんな彼女の横顔を見惚れて即興の替え歌を口ずさむ
「川面に〜渋く光る〜♪ロンドンの守り人なのに名前はなぜかアルスター由来」と歌うと、彼女が反応して「アルスターってどういうこと?」と訊いてくる
「このベルファストをはじめとした巡洋艦というジャンルの軍艦の総称知ってる?」「タウン級でしょ?」「そうさ。ちなみに、ベルファストは北アイルランド、つまりアルスター地方の大都市が由来だから、イングランドの都を守った軍艦の名前がイングランドとは関係ないアルスターの町から付けられたことをちょっとネタにしたんだ」
「それを言ったら、レイテ沖で沈んだのは東京由来の軍艦でしょ?」という反論のしようがない正論を返され「一本取られたなぁ」と言って笑うと彼女も笑い出す
そして、しばらくして「たかだか80年ちょっと昔に敵対していた国の軍艦のことをネタにして笑えるほどの平和ってのはありがたいな。当時の戦争を体験して、かつての敵国を未だに憎む人だっているのに、友達のように扱ってくれる国が多いのは外交努力の賜物だな」と呟く
「そうね。アメリカに至っては震災の救出作戦で日本語の『友達』をそのまま作戦名に使ってくれたのは知ってるでしょ?」と返ってくる
「そうだな。東郷神社も記念艦三笠もアメリカの援助がなければ戦争で消えてそのままだったし、震災が起きるとすぐに救助隊出してくれたから感謝してるよ。それに、東郷平八郎とアメリカ海軍の話題が無ければ君とは海外の話で盛り上がれなかった。そういう貴重な経験をくれたという意味でもアメリカには感謝している。ただ、言葉は別だね。あんな癖の強い英語は俺には合わない」と言うと「私にはマーマイトみたいに癖の強い英語は合わないんだけどね」と言って彼女が苦笑いを浮かべる
「マーマイトとハギスは俺にも合わんよ」と言って俺も笑うと何度目かわからないお馴染みの鐘が鳴る

0

なんにもなかった空にポッンと輝いていた

有り難うにかわる言葉ずっと探していたんだ

一生側にいるから 一生側にいて

一生離れないように 一生懸命に

きつく結んだ目がほどけないよに

固く繋いだ手を離さないから

0

二人の転生者 #1

目が覚める。二度寝をしようとするが暑いわけでもないのにかいた汗で、気持ち悪く眠れない。まだ外が暗く、アラームもなっていない。スマホを見る。時刻は2時前、起きるにはまだ早すぎる。仕方がないので体を起こし、ゲームの電源を入れる。
最近、よくこんな夢を見る。夢で知らない誰かが、なにかいっていて、目が覚める。そして、変な汗をかいている。二重人格とゆうやつだろうか、俺の中にいるもうひとりがなにかいっている、、、いやそれはないか。
静かな、そして時々トラックのエンジン音が聞こえる空間でカチカチと操作音が響く。
ゲーム自体は余り楽しくはない。ベットにうずくまりじっとするのがもっと面白く無いだけだ。朝勉をする気はさらさらない。
僕は生きていることにおもしろみを感じない。前は友だちと過ごすときを、家族と過ごす団楽の時間を大切に感じていた。今みたいに感じるようになったのは高3に進級してすぐだった。それがきっかけだったのかもしれないし、溜め込んでいたのかもしれない。はっきりとはわからないが、言えるのは突然、全部に色がなくなったように感じた。いつもハイテンションで絡んでくる友達、食堂のおばちゃん、おとなしい彼女、そのすべて色あせて見えた。必然的に僕は不登校になった。
別にこの世界、すべてが面白くないわけじゃない。ただ、今このとき一瞬一瞬が退屈で、楽しくないだけだ。転じることのない物語のようなそんな刺激のない世界に感じてしまっただけ、それだけだ。刺激がもらえるとゆうのなら欲しい。運命を変える出会いを、世界を狂わす出来事を、思わず失神してしまいそうな体験を。
無理とわかってはいるが願う。もし、もしもの世界をおもって。刺激を、僕を変えるほどの刺激を、なんでもいいからくれ、、、、