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儚くはかとなく

浅いキスを繰り返し深く沈むフェティシズムで、君を忘れようとしたんだ。

堅い挨拶の向こうで無効になった、時効になった。それくらいならルールも破れる気がしたんだ。

寒いジョークに騙されてあげたんだ。君の髪を最後に一撫でして、さよなら。

息を吹きかけて空に舞った。胡散臭いからランクインしてくれたら、いいのに。


儚くはかとなく始まった世界は、儚くはかとなく終わっていくんだな。
儚く散りゆくとわかっている気だけ、してたんだ。
そこはかとなく香る位でいいみたいだよ。


浅いところで溺れたふりしあって笑い合うのが楽しかった、君をすぐそばに感じたんだ。

軽い挨拶は無効で無香料だった。次号に期待だ。これくらいでも生きてくことにしたんだ。

苦しい洒落に笑ってあげたんだ。君が何故か忘れていったキャミソールと同じ。

赤い布が空に舞った。忘れないから必要ないってことさ、さよなら。


儚くはかとなく始まった世界は、儚くはかとなく終わっていくんだな。
儚く散りゆくとわかっている気だけ、してたんだ。
そこはかとなく香る位でいいみたいだよ。


あなたの腕、あなたの首、あなたの指、あなたの耳。
全部全部に騙されてあげたわけよ、あたしエージェントだから。

君のピアス、君の脚、君の肩、君の耳。
全て全てを騙してあげたわけよ、僕はスパイだから。


儚くはかとなく始まった世界は、儚くはかとなく終わっていくんだな。
儚く散りゆくとわかっている気だけ、してたんだ。
そこはかとなく香る位でいいみたいだよ。

儚くはかとなく始まった世界は、意外にあっけなく終わっていくんだな。
久しく会えないと君は泣くふりして、僕からのキスを待ってたんだろう。
僕も同じだったよ。

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