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旋風機

開け放った窓から、一陣の風。

熱気と湿気を帯びた、その風は、

机の上の散逸した、プリント一枚、

吹き上げて走り去る。


君の面影を見た、6月も下旬。

また君を思い出す。

忘れたはずなのに、思い出す。

忘れなきゃならないのに、

プロペラみたいにぐるぐる回って、

心に吹いた一陣の風。


また君を思い出す。

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