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LOST MEMORIES CⅥⅩⅧ

「うん、瑛瑠は笑うと凶器だね。」
うんうんとひとり頷きながら、踊り場の掲示板に背を預ける。
「まず、英人くんに話しかけられたのが最初なの。」
これまでの経緯を話してくれるようだった。
「彼のアンテナは最上級だね。隠れるのは得意だから、声かけられてびっくりしちゃった。
『君、人間じゃないだろ。』ってさ!」
たぶん今、もの真似が入った。
どうやら英人は誰に対してもあのスタイルは崩さないらしく、瑛瑠は知って はあ,となんとも気の抜けた返事をしてしまう。
「そんなことを聞くってことは魔力持ちなんだなって思って。」
「……正体を明かしたんですか?」
信用するには早過ぎやしないかと思うも、
「私、エアヒューマンなんだけどね、正直気付かれない自信しかなくて、自分で探す気満々だったんだ。それで気付かれちゃったからねー、凄いアンテナだなあと思ったら信じちゃったよ。」
ちゃんとした根拠を持っていて。
彼女も、できる子だ。
そう、瑛瑠は確信した。
「でね、」
何かを企むかのようにら含みのある笑みを溢した歌名。
「ウィッチとウルフを見付けたんだけど、ふたりが近いんだって言うの。誰のことか聞いたら、確かに近くてね。そこで初めてふたりを認識したの。
ウィッチにとってウルフは相性が悪いし、自分も相性が悪い。彼女はきっと自分を信用していない。でも彼女は必要だから、力を貸してくれ。そう、言われたんだ。」

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