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LOST MEMORIES ⅡCⅢⅩⅨ

「そうよ。」
楽しかったなー高校生,そう言う彼女に変化は全くない。
ただの偶然で片付けてしまえば良いのだろうかと一瞬言葉につまる。
急に言葉を発しなくなった瑛瑠に、花はくすりと笑う。
「私の友だちにも、急に考え込む癖を持つ子がいたわ。」
どうぞとカウンターから出されたもの。
「え!?私、頼んでいません!」
いきなりのことで、思っていたよりも大きな声が出てしまう。
「アフォガードよ。試作品だから、お代は結構。だから、味見して。」
ウインクを残し、早く食べないととけちゃうわと微笑む。花はそのままお会計のお客さんへの対応をし、席の片付けへ移る。どうやら放っておいてくれるようで。気が済むまで考えていいと言われているようで、瑛瑠は苦笑う。
ロイヤルミルクティーのかけられたアイス。口の中で広がる紅茶の香りに、幸福感でいっぱいになる。濃いめのバニラアイスが、主役は自分だと主張してくる。つまりは美味しいということ。メニューに追加されたら、注文してしまうだろう。
まだテーブルを拭く花へ、どう感謝と美味しかった旨を伝えようか、思案することにした。

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