0

ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 3.セイレーン ⑫

「まぁ…ここ田舎だし、みんなここに集まっちゃうし…」
「これだから田舎は! もう…」
赤いウィンドブレーカーの少年 耀平はあきれ気味に呟き、ネロは地団駄を踏んだ。
その後ろにいる師郎は苦笑いするばかりだったし、黎は相変わらず沈黙し切っていた。
「…つか、なんでまた異能力者と一緒にいるの? 関わらない方がいいって言ったハズだよねぇ?」
ネロは怪訝そうにわたしの顔を覗き込む。
わたしはちょっとびっくりして思わず後ずさってしまったが、1つ自分の中で引っかかるものに気付いた。
「待って、どうしてセレンさんが異能力者ってこと知ってるの? もしかして、知り合い?」
さすがにそうだったら嫌だな~と思いながら、わたしは彼らに尋ねた。
「いや、別に、アタシはこの子達のことぜーんぜん知らないよ? てかこの子達が、キミが異能力を知るキッカケになった子達?」
セレンさんは明るく笑いながら言う。
「ちょ、お前ーーーっ! ボクらのこと人に話したな⁈ マジ許さ」
「待て待て待て」
自分たちのことを他の人に話されたことが癇に障ったのか、ネロはわたしに飛びかかろうとし、耀平はそんな彼女を慌ててなだめた。

  • ハブ ア ウィル ―異能力者たち―
レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。