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炎天下

恐らくちょっとした
楽しいくらいの病気だったんだろう
青い熱に侵されてふらふらとした足取りで
気付けば君の家の前

「幽霊か何かみたいだね」
ってあの時君は笑ったね
でも行き先を失くしたナビゲーターは
今でも君に取り憑かれてる

今はあの日と同じ8時45分
君が来ないのは道に迷ってるに違いない
未だにそう思ってるんだ

日傘で隠れた君の気持ち
まだあの瞳と目が合わない
日差しが君を狙ってる
そう思ってたのに「僕が怖いの?」
答えが聞こえないよ

あぁ、
誰か太陽を喰べて
溶け出して落ちた雫が何なのか
僕にはもう分からないから

恐らくちょっとした
悲し過ぎるくらいの病気だったんだろう
インターホンが僕に喋りかけてる
「サヨナラ」って告げてる

君は何も悪くない
そう、君は悪くない
とりあえずこのインターホンは
とりあえずこのインターホンは
壊して走り去ろうか

もう会えなくて悲しいけど
壊して走り去ろうか

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  • 楽しいくらいの病気だったんだろう。って言葉のカッコ良さ。今年一番の衝撃でした。これ15歳で書ける人がいるなんて半分嬉しくて半分絶望です笑

    ていうか全編通して異様な世界観とリアリティが色濃く混ざりあってて……
    と御託で褒めても完全に無駄な気がするほどの詩に出会いました。

    書いてくれてありがとう。

  • 企画への参加、ありがとうございます。
    いやぁ…こんなに何度も読み返した詩は初めてです
    この部分はこうなのかな?ああなのかな?
    色々考察しながら、読ませていただきました。
    私の詩とは違って、空色アスファルトさんは
    しっかり物語を書き出しているように感じました。
    (私はその時感じたことをそのまま書くので……)
    一つの詩でこんなに考察したのも初めてです。
    楽しかった……ありがとう。

    空色アスファルトさんに素敵な夏が訪れますように