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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑤

「あ、あの」
思わず声がする方を見ると、転入生の坂辺さんがこちらへ目を向けていた。
「すみません、その…」
坂辺さんは恥ずかしそうに目を逸らす。
「次の授業の移動先が分からないので…」
坂辺さんの声は徐々に小さくなっていった。
「あ、もしかして次の授業の場所が分からないの?」
わたしがそう尋ねると、坂辺さんはそうです!と答え。
「それなら良いよ」
わたしが案内するよ、とわたしは彼女に言った。
「え、良いんですか⁈」
「うん、別に良いよ」
驚く坂辺さんに対し、わたしはそう答える。
「じゃあお願いします」
坂辺さんはそう言って、荷物を持って立ち上がった。
それを見てわたしは、じゃあ行こっかと歩き出した。

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