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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑧

全ての授業が終わって放課後。
生徒達は帰りや部活の準備に追われている、
そんな中、わたしは荷物を鞄に詰めていた。
「あの、不見崎(みずさき)さん」
不意に声をかけられたので見ると、坂辺さんが立っていた。
「…一緒に帰りませんか?」
急な提案に、わたしは目をぱちくりさせる。
「あ、別に、いやなら良いですよ」
1人でも帰れるし…と坂辺さんはうつむきながら言う。
「…別に良いよ」
わたしが笑顔で言うと、坂辺さんはホントに?と聞き返す。
「うん、わたしこの後部活ないし…」
「嬉しい!」
わたしが言い終わる前に、坂辺さんはそう言って手を叩く。
「…へ?」
「あ、何でもないです」
わたしがポカンとしている様子を見て、坂辺さんは慌てて平静を装う。
坂辺さんてこういう反応もするんだなと思いながら、わたしは行こっか、と歩き出した。

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