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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 14.ヌリカベ ⑲

「中々戻って来ないから探したよ」
坂辺さんはそう言いながらこちらへ近付いてくる。
「…あ、ごめん」
トイレが見つからなくて…とわたしは苦笑した。
「そんな事は良いから」
早く行こ?と坂辺さんはわたしの腕を掴む。
「え、ちょっと」
トイレは…とわたしは戸惑う。
「わたし、不見崎さんと一緒にいたいの」
…駄目かな、と坂辺さんはわたしの腕を握りしめた。
「一緒にって…」
わたしが困り顔で言った時、不思議な事が起こった。
背後の壁から突然、少女が飛び込んできたのだ。
「⁈」
飛び込んできた少女は着地するとこちらへ目を向ける。
「…ネロ⁈」
わたしは思わず声を上げる。
「何だよ、アンタ」
ネロは訝し気な顔をする。

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