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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑧

穂積達と遭遇してから暫く。
ネロと穂積の言い合いが落ち着いた所で、わたしたちはいつものショッピングモールに向かっていた。
「…何でアンタ達もショッピングモールに行こうとしてるんだよ」
裏路地を歩きながらネロが側を歩く穂積を睨む。
穂積はそんなのあたしの勝手じゃないとそっぽを向く。
「そもそもアンタ達も何でショッピングモールへ向かってるのよ」
穂積がそう尋ねると、ネロは答えたくないと口を尖らせる。
「何よソレ」
「何よって何だよ」
ネロと穂積は立ち止まっていがみ合う。
師郎や雪葉はまぁまぁ…と2人をなだめようとした。
わたしはその様子を見て苦笑いする。
しかし十字路にさしかかった所でわたしは交差している道の奥から視線を感じた。
わたしはふと十字路の奥に目をやる。
そこにはわたしと瓜二つの人物が立っていた。
「…え」
わたしは思わず呟いて立ち止まる。
それに気付いたネロ達も、立ち止まってわたしの方を見た。

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