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ハブ ア ウィル ―異能力者たち― 20.エインセル ⑪

ヴァンピレスに遭遇してから暫く。
わたし達は路地裏を駆け抜けていた。
「何でヴァンピレスがこんな時に出てくるのよ!」
「穂積を狙ってきたんじゃない?」
「そう言う事言わないでよ雪葉‼」
穂積と雪葉がそう言い合う中、わたし達は路地裏を走っていった。
「…ここまで来れば大丈夫かな」
耀平がそう呟いて道の真ん中で立ち止まる。
わたし達も立ち止まった。
「奴の行動を考えるとどこが大丈夫とかほぼないけど…まぁ、そろそろ休まないとな」
走り続けるのって難しいし、と師郎はこぼす。
だなとかうんうんと耀平や黎はうなずくが、ここで穂積が口を開く。
「…それにしても、何であいつが急に襲ってきたのかしらね?」
やっぱりあたしを狙って?と穂積は腕を組む。
「でもおれ達もよく狙われるから何とも言えないよな」
そう言って耀平は師郎に目を向けると、彼は静かにうなずいた。
「…ま、とにかくさっさと大通りに出て奴を撒いちまおうぜ」
そう言って師郎は歩き出す。
そうだなと言って耀平達4人も歩き出す。
わたしもそう言って歩き出そうとした。

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