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ミルククラウン

時計が浮かんでは又、沈んでいった。
あのときの自分は何処に行ったか、
幾度となく捜した。

見つからなかった。
只、只、呆然と自分は荒野に立っていた。
既に自分は化石になってしまったのか?

泣いた。泣いた。涙が心の中を流れていった。
そして、ある時、
いなくなった筈の君が僕の前に現れ、
こう言った。[今は生きて]と。

歩いた。歩いた。
夜の道を。どこまでも、いつまでも、
僕は歩いた。そして、何時しか太陽が登ってきた。 僕はその光を浴びて、自分が生き返って行くのを感じた。

人間の一生は
ミルククラウンよりも短い。
只、その瞬間に私がいるのだ。
その瞬間に私は生きるのだ。私はあの夜に生きるのだ。 そして、又、いつの日かあの太陽を見るために

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