彼らが造ったこんな社会で、どうして私が苦しまなければいけないのか。彼らが残した多すぎる問題を、どうして私が解決しなきゃいけないのか。
汚くて、不平等で、冷たくて、嘘をつく。この社会は、いつだって私に牙をむく。爪を立てる。
勇気を嘲笑い、希望を握りつぶして、夢を踏みつける。良心のふりをして、信じることを焼き尽くす。
嫌い。こんな社会を造った彼らが。こんな社会を引き継いで、それを次へ渡す私が。
こんな社会だけど、大好きな、美しい、世界のために、私は傷付いてでも、戦うしかない。
例えば肩に凭れた時に
そっと背筋を伸ばしてくれるような
分かりにくい貴方が好きだった
例えば料理を褒めてくれなくっても
数週間後 ぽつんとリクエストをくれるような
分かりにくい貴方が好きだった
別れ際に私は
貴方の愛情不足を詰ったけれど
きっとそうではなかったのね
貴方のささやかなサインを察するだけの愛情が
保てなかったのは私の方だったのね