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無題

間に合わなかった桜
急に愛着湧いた制服
最終日に意気投合したクラスメイト

なんで今日なのって
もっと違うタイミングなら きっとって
人生なんて そんなことばかりだけれど

桜が咲いたら お花見をしたらいいし
制服は暫くディズニーで着られるし
遠い所へ行ったってLINEなら会話は一瞬だわ

息を詰めるように
タイミングを見計らわなくっても
良いではないかしら

完璧な舞台が
完璧な人生であるとは
限らないのではないかしら

きっと 多分
そんなものに囚われないことが
完璧な人生の秘訣なのね

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君にさよなら、またいつか。

君に恋した夏の駅を思い出したよ
太陽に照らされた横顔も
髪を靡かせながら走る姿も
背筋をしゃんとして凛と佇む後ろ姿も
僕の心を灯してくれたその笑顔も

僕は全部好きだったよ
今日はお別れの日だったのに
僕は何も言えなかった
好き ありがとう おめでとう お疲れ様 頑張れ
さよなら

何も言えなかった
もう会えなくなるのわかってたのに
大好きだった後ろ姿と
少し涙を溜めた瞳と
手を振る君を胸に刻んで

またいつか会えたら
その日までに綺麗になろう
ねぇどうか変わらないで。
僕の好きだった君のままでいて。
凛とした強さの中に可愛さと無邪気さを持った
僕が大好きだった君のままでいて。

今までどうもありがとう。
たくさんの幸せをもらいました。
どうか君の夢が叶いますように。
君の笑顔が消えることのない
幸せな日々が君に訪れますように。

さようなら。

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りんりんと

手をそろえて重ねた
あなたの一歩、鈴の鳴るように
弱くて浴槽で火照っていた
指先のしずく、溶けだすように
ままならない恋を
ていねいに包んだ
お届け先は秘めていて
あなたの体(てい)におぼろげな
月のような影を見た