人が歩けば道ができる 道ができれば街ができる 街ができれば人が増える 街で誰かが歌を歌った その歌は少し耳には合わない歌だったが 彼の周りには人が集まった 歌は僕たちを運んで途方のない旅に向かった 僕たちはその旅で色々なものを見た 色々な体験をした 僕たちはその街で何ができるだろう 遠くない未来へ 走り出した。
オトは、どこから来たの?
女の子は尋ねました。
この国の外から来た人を見たのは、初めてでした。
僕は
男の子は黙りました。
どこから来たと言うのが正しいのだろう。
そもそも男の子は物心つく頃には旅をしていたので、自分の故郷というものがわかりませんでした。
僕…わかりません
そっか、
女の子は笑いました。
故郷がないなんて、そんな変わったこともこの男の子ならありえると思ったからです。
ここが、君の故郷ってことにしない?
ハッとして、男の子は女の子の目を見ました。
思えば、男の子が女の子の目を見たのはこれが初めてでした。
淡い青の瞳。
目に焼き付いて離れませんでした。