あなたは愛される
愛されることから逃れられない
たとえあなたが全ての人をに憎むとしても
たとえあなたが人生を憎むとしても
自分自身を憎むとしても
あなたは降りしきる雨に愛される
微風に揺れる野原に
えたいの知れぬ恐ろしい夢に
柱のかげのあなたの知らない誰かに愛される
何故ならあなたはひとつのいのち
どんなに否定しようと思っても
生きようともがきつづけるひとつのいのち
すべての硬く冷たいものの中で
なおにじみなおあふれなお流れやまぬ
やわらかいいのちだからだ
ちゅうぶらりんな気持ちをぶらさげて
今日も夜の空気と一体化する
暑くも寒くもない夜の月夜に見え隠れするように
心はいつも以上に踊らされる
もう理由なんてない
言語化できない気持ち
ただあなたのことが好きだと
ただあなたを支えたいと
ただ、あなたのそばにいたいと
他にもう理由なんてない
あの夜も あの朝も
刹那の幻になるのなら
いまあなたの心が此処に見えるなら
私の全てで あなたの全てにキスしたい。