晴れた空が曇る頃
あなたがやってくる
なんて
そんな神の降臨!みたいな登場の仕方は流石に
あなたには似合わないわ
大きな夢を追いかける友達
涼しい顔して何でもこなすあの子
努力もせず他人をせせら笑うあいつ
いつも自分に正直な君
まだどこかくすぶっている私
みんなそれぞれ違った人生を歩む
他の誰も干渉できない、自分自身の人生
「私は私」と簡単には割り切れなかったとしても
常に「自分」と真正面から向き合って生きていきたいものだ
ま、これがなかなか出来ないから弱虫なままなんですけどね。笑
「…”古い時代の名前の一文字目”はお前の名前の最後の一文字に、”新しい時代の名前の一文字目”はもはや読みがそのまま…」
「ぇえええええ⁈」
俺の左斜め前に座る彼は思わず叫んだ。
「え? は? え⁈ え、こんな奇跡の一致あるの? すごくね⁇」
「だよね」
「縁だよなもうこれは」
周りの人々は笑いながら言う。
「ホントすごいよなもうこれ。ホント笑える…」
俺はテーブルに肘をつきながら言った。
「なぁちょっと、おれたちのことネタにしてねー?」
左斜め前に座る彼は不満げに言う。
「いやこれはねぇー?」
「しゃあないしゃあない…」
「なんか嫌なんですけどー」
左斜め前に座る彼はそう言って窓の外を見る。
「…でも例え時代が変わってもオレはこうして一緒にいるつもりだかんな。2つの時代は一緒にいられないけど…」
不意に、正面に座る彼がそうぽつっと呟いた。
「…ブッ」
その呟きを聞いて、思わず左斜め前に座る彼は吹き出してしまった。
「…お、お前…なんか可愛いこと言うなぁ」
「可愛かない」
正面に座る彼はそっぽを向く。
「いやそういうのが…」
「ホントお前ら仲良いな~」
「いやみんな仲良いでしょ。だったらこんな風に同じテーブル囲えないわ」
「それな」
「ハハハ…」
俺は思わず苦笑いする。そうだな…そうじゃなきゃ、こうならないわぁ。
「…そこ笑うな」
左斜め前に座る彼は真顔で言う。
「てかちょっと騒ぎ過ぎたな」
「そうねぇ…」
「絶対迷惑になってる」
「さすがに出禁くらわないよね」
「いやこれくらい平気だろ。他のお客さんあんまいないし…」
「もし出禁になったら来年もあまおうパフェ食べられなくなる~」
「お前ホント好きだなぁソレ」
あーあ、きっとこれからも、多分学生のうちはこうなんだろうな、俺達。
そう思いながら、俺はミルクセーキを一口飲んだ。