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ペペロンチーノ

出会っちゃいましたね
もさっとした日常に散らした
鷹の爪みたいな、一目惚れ

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正義の狂信者

こんな言葉を残した人物がいた

「正義は麻薬だ」

正義感という感情は人を狂わすのが最も容易い感情なのだという
遥か昔は狭い世界でしか生きられなかった者たちが技術の進歩共にいくつもの境界線を容易く飛び越えることが出来るようになった
そして生まれてしまった
以前までは知り合いの誰かから知り合いの誰かへだったものは
知らない誰か達から知らない誰かへ
技術の進化がその者たちを退化させた
それが今の我々の世界である
日々流れる涙は
知らない誰かの涙
それはある日突然で前触れなくやってくる
狂信者達による非信者の排除行動に泣く者達
日々聞こえる罵声は知らない誰か達
「正義」という名の宗教団体みたいなもの
全員が全員狂信者なんてタチの悪い集団だ
進化を望み進化を成したが故に
我々は多くを失った
失ってはならなかった何かを沢山

進化の後は滅びを待つだけ

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『偽善とは』

 僕が育ったのは、自然が綺麗なところだった。近くには川があり、晴れた日には光が反射して、川辺に咲く花や木々はそれを見て眩しそうに、そして嬉しそうに風に撫でられていた。近くに寄ると透き通って見えたその川には、たまに魚やカニなんかが顔をのぞかせていて、僕を天敵と見なすとすばやく陰に隠れ、そして見えなくなる。かくれんぼはいつも彼らの方が上手だった。鳥が歌う声もよく聴くから、綺麗であるここは彼らにとって危なくもあるのかもしれない。そんな穏やかでいて危ういこの場所が僕は好きだったし、みんなここにいれば幸せだと思っていた。今、このビルの立ち並んだ光景に窮屈さを感じざるを得なかったし、僕の中の何かが枯渇していたから。
 いわゆる都会という町に出てきて、僕はまるで砂漠に打ち捨てられた草食動物のように、緑を求めた。しかし、求めた先に現れたのは光を弾いて輝く川なんていう宝石箱ではなく、何色とも形容し難い大量の水の塊だった。これを人々は海と呼ぶのだろうか。
 覗いても、濁った色しか見えない。工場も近くにあるし、良くないものがたくさん流されているのだろうと悟った。小さくため息をつき、元来た道へ足を返す。そこで、小さく躓いた。僕を躓かせたその石の陰からは、カニが姿を現した。人的排水によって、ここまで住処を汚されているなんて。僕が1番最初に抱いたのは、かわいそうだとういう感情である。このカニは、綺麗な水を知らない。自分に害のある物質が住処を侵しているかもしれないのに。それも、人間という極めて恣意的な原因に。
 その時、このカニだけでも綺麗な場所で生きてほしいと思った。もう少し進んだ場所に、川が海に合流する、比較的綺麗な場所がある。そこに、逃がしてあげよう。
 そう思ってからは速かった。着くと、やはり先の海よりは断然綺麗でいて、僕はほっとしたのだ。やっと綺麗な場所で生きていけるね。そう声をかけてカニを放した。
 僕が害を加えようとしていたと思っていたのだろうそのカニは、放されると一目散に僕から離れた。長生きしろよ、と海へ入ったのを見届けて、身を翻した。多少だけど、海が綺麗だったから最後まで姿が見えたな。可愛かった。

 そう微笑む僕の頭上から、腹を空かせていたであろう鳥が、海めがけて降り立ったことを、僕は、知るべきだった。

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空が青くて、青くて。
これからもっと青くなるんだろうな。
これからもっと明るくなるんだろうな。
私の心とは対照的に。

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よるになって

月が咲いて
星が降れば
あなたに出会えますか?

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そよそよ

風に揺れる葉っぱは不安定

私の心みたいだと思った

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レンズ

日の目を見ないきみの

まる眼鏡越しに見えるその瞳は

太陽だった。

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貴女のすべてを

貴女の涙で濡れた袖
私を信じて泣いた貴女をみて
もっと貴女を好きになった
そっと抱きしめながら
貴女の額に
そっとキスをする
いつのまにか袖の涙は乾いていた

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雨の季節になったらさ
連絡先も
この景色も
見苦しいこのあいの詩も
まるごとぜんぶナイフで削いで
できればなかったことに、だなんて

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今日

久しぶりの学校は

みんな変わっていなくて

なんか嬉しかった

蒸し暑い教室も

苦手なあの子に話しかけられたことも

今まで嫌だったことが

なんだかぬくい

「あたりまえの日々って

 なんて素敵なんだろう」