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人生

少女は1人で歩いていた。
「ひとりは寂しいでしょう」と誰かが云った。
少女は独りで歩いていた。

少女は静かな道を歩いていた。
「不気味な道だ」と誰かが云った。
少女は寂れた道を歩いていた。

最初は笑顔で歩いていた。
最後は雨が降っていた。

少女は歩くのをやめた。

少女はただ歩くことが好きだった。
少女はただその道が好きだった。

それだけだった。

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A君へ

背、伸びたね!
そう言ってみれば良いのかな。
後ろのドアから覗いて
少し変わった色のマスクした君に
声をかけてみれば良いのかな。

本当はもっと伝えたいことあるし、
本音を聞きたかったことも残ってる。
その前に休校になったもんね。

だんだん君が離れていく。
今までの距離は、
思ったより近かったみたいだね。

直接は言えない言葉だから。
今、ここで言うよ。

ありがとう。

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かけだす気持ち

初めてだからもっと 丁寧にしてよ
忘れられないはずだから

春の風を聴いた夜に 騒ぎだした
胸のつかえが 今にもはずれて 全部溢れそう

初めてだからもっと 熱くやろうよ
すばらしい はずだから

言葉にしたら かっこわるいよ
でも忘れるより ずっといいでしょ

春の風を聴いた夜に 走りだした
音楽聴いてて 私よかった。
音楽聴いてて ほんとよかった。

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インク

インクの盛れた ペンで書いた
シンクロナイズ 2年の月日
数字にすると イメージできて
意外とながい時間だったね

数字じゃないとわからないけど
数えるのもめんどうだから
0〜9の間の不安は
0になったら ゼロになるかな

君といられて面倒くさいことばっかで
こんなときまでお節介で
さよなら あとのTシャツは捨てて下さい
捨てなくてもいいかな。


インクの溶けた 水を飲んでた
君も飲みなよ 汗かいたでしょ
ピアスの1つも ついてないのが
かわいいと思うよ もっと外しても

新しいくらしはどこで誰とするの
僕の方がめんどくさいね
さよなら 思い出は、いや思い出未満の
数字以外で記録した記憶

まだまだ ふたり ふらふら
ふわふわ したら ぐらぐら
むらむら かわす だらだら
ぜんぜん かるく ないから

新しいふたりは どこへ、どう行くの
1つもかたちにならなくて
さよなら あとのTシャツは捨ててください。
捨てられない

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ゆめくらげたちの物語      ~第1章 海のヒトツブ~

海はゆらゆら うごきます
誕生いわって おどります
ゆめくらげが うまれます
海にとっての よろこびよ

海に住んでる水たちは 
ヒトツブ ヒトツブ 喜びます
海の天使のゆめくらげ
キラキラ キラキラ 煜きます

貝のまわりを跳ねるよに
出てくる光を受けとって
もっととおくへ運びます

塵のように軽やかに ゆらゆら揺れたその中を
光がやさしく 突き抜けます
くるくる くるくる 渦をまき
仲間を大勢巻き込んで 歓喜の舞を披露する
どんどん どんどん 進んでき
海全体を染め上げて 巨大なヒトツの海になる

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空ごころ

私たちと同じ
人間には心があって
それは
私たちよりも
脆くて儚いものである

と、空から聞いた。

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ある日の夜

ベッドでぬいぐるみを抱き締め
ふと君のことを考える

今なにしているのかな?
もう寝たかな?

ひとりで呟いてみても
もちろん答えはかえってこない

でも君に届けと願い
呟いてみた

「ありがとう大好きだよ」

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アコガレ

周りに合わせる
そんな自分が嫌いだ

だから
君が魅力的に輝いてみえた

キミと同じになれば
キミと同じ世界にいけるかな

それならば
こんな世界から
おさらばするために

キミと同じように
ワタシは
××を切る

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スタバにて。

アイスのシトラスティーを頼んで

おひとり様用席に座る

隣ではカップルがイチャイチャ

なんだか見せつけてくるようで

寂しさを紛らせるように

シトラスティーを口にした

ほんの一ヶ月前までは

私もそこにいたのにな。

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メッセージ

明日は学校だ。
大好きな国語があるぞ
何で国語が好きかって?

前の国語の時にノートの端に書いてくれたメッセージ。
「1年間、よろしくね。」
たった一言。
あなたは何も言わずノートの端に書いて微笑んでくれた
何でもないことなのに胸が締め付けられたのは
なんでだろう


あれ、この気持ちって…何?