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大切にして、大切にして、大切にして。
触れ方を知らないそれは、触れていいのかさえ知らなかった。
写真を撮り永遠に手に入れたと誤魔化した。

誤魔化したままのほうが正解だと今でも思っている。
これからもそうだと、もう思い続けるほかないのだから。

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Untitled 

ぬるい夜を歩いていた

遠くで雲が光った

横断歩道の真ん中に立っていた

もうすぐ夜がやってくる

もうすぐ車がやってくる

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mind

長い歴史を持つこの星に
産み落とされた僕たち
少し目立ちすぎな
悲しみと苦しみが
僕の心を奪っていた
でも
貴女と出会った時
貴女という愛で
僕の心は奪われた
愛すこと
愛されることを知った
僕の心は
悲しみも苦しみも
どこかへ追い払ってしまった

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土曜日の恋人

水溜りに映った私は
なんかちょっとイケてる?
ほんの昨日まで
泣いて歩いたこの道も
街も、人も、煌めいてみえる

星の数だけいる girl friend
瞬くあなたの一等星になるわ
土曜だけ愛して
土曜だけ恋人

交差点では傘の花が
ひとつひとつ閉じてゆく
私をさらって
今夜だけ 帰りたくない
街も、車も、止まってほしい

星の数だけいる girl friend
瞬くあなたの一等星になるわ
土曜だけ愛して
土曜だけ恋人

約束は p.m. 8:00
いつまで待たせるつもり?
街灯が私だけを照らしてる

星の数だけいる girl friend
瞬くあなたの一等星になるわ
土曜だけ愛して
土曜だけ恋人

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もういいから

会いたい、って何度言った?
会いたい、ってなんのため?
都合のいい好きだよなんて
私は虚しくなるだけ
君の目を見て
悲しくなるだけ
ねえ
私が泣いたらどうしてくれる?

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霧の魔法譚 #3

「推計で3万ほど、だそうだ」

魔法使いの中でも情報収集や分析が得意な者たちに調べてもらった結果だ。
通常ファントムが現れる場合は多くても十数体というところ。魔法使いになりたての、与えられた力をまだ十分に使いこなせない子たちには少々きつい数だろうが、少し慣れればどうということはない。さらに魔法使いが持つ潜在能力はその子の身の丈に合わない大きさに成長するものまであり、百や二百を簡単に蹴散らす魔法使いも少なくはない。
しかし、3万という数は。
「普通に考えて災害だよ、魔法使いにとっては」
いわゆる数十年に一度レベルのこの災害は大攻勢と呼ばれている。
大攻勢の時のファントム一体一体はむしろ通常時より弱く、攻撃パターンも少ない。言ってしまえば大量生産された鋳造品であり、戦術的にも御しやすいのが大攻勢の特徴だ。
異常なのはその数のみだが、これが最も厄介な点だ。早死にしてしまう魔法使いたちは常に人口が少なく、戦力を一定に保つことができない。つまり常に少数精鋭で戦わなければならないということであり、魔法使いが保有する精神力というリソースの限界も相まって、魔法使いは莫大な兵力差で攻めてこられるのを宿命的に最も不得意とするのだ。
津波のような物量でもってすべてを押し流すゆえ、災害。
かつて日本を襲った3度の大攻勢の中には、悲惨な結果に終わったものもあった。

シオンは何の反応も示さず、黙ったまま大賢者の話を聞いていた。
水晶に映し出された3万のファントムの大軍を前に、大賢者は語る。
「さて、本題だが。今まさに日本において4回目の大攻勢が仕掛けられようとしている。3万という阿呆みたいな数のファントムが――」
いつの間にもう片方に握られていた水晶、その内側に過去に類を見ないファントムの大軍を映し出して。

「――同時に、過去最大の5回目の大攻勢を伴う形で、だ」


***
先週ぶりの投稿です。
シオンのもとを訪れた大賢者は、数十年ぶりに”大攻勢”が迫ってきているということを伝えます。ただでさえ3万という桁違いな数の第4回大攻勢は、しかしまだ序の口にすぎませんでした。大賢者は同時に、さらに多くのファントム軍が存在しているとシオンに伝えるのです。

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要らない

その場しのぎの
好きだよなんて
私には要らない
その場しのぎの
可愛いねなんて
私にはわかるの
私が欲しいとき
笑って誤魔化す
そんな君が好き

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箱の中から見えたもの

目の前のこの景色はあまりにも大きく圧倒的で
自分の色も感覚もまるで届かない
自分の色に染められない。 
外の世界が大きすぎると感じた。