『新しいクラスどうだった?』
いつもの窓辺で足を外に出しぶらぶらさせていると、先生が話しかけた。
「お〜、先生。忘れちゃった?私のクラスはクラス替えなしだよ?」
『忘れてない。覚えてるよ。ただ、前学期と変わったとこなかったかなって思って。』
「あ〜、そういう事ね(笑)!特に何も変化ないよ。」
私は少し笑う。
そして先生は、いつものように隣に腰掛ける。
『君は殻にこもり過ぎだ。』
「ん〜?……ん?You Too.でしょ(笑)?」
『何でそこだけ英語なんだよ(笑)。』
「なんとな〜く(笑)。」
『君は良い子なんだから少しだけ殻の外に顔を出してごらんよ。』
「私は十分顔を出してる。ただ誰も気づいてくれないだけよ(笑)。」
『君はもう少し笑うべきだ。』
「ん?十分笑ってるよ?」
『普段の話だ。ここの話じゃなく。君はいつも真顔だ。少し怖い(笑)。』
「え〜、でも先生の真顔もだいぶ怖いよ(笑)?」
『それは知ってるさ(笑)。ただ君が辛そうに見える。』
「そうかな?」
『自分を殺さなくたっていい。もう少し笑え。』
「りょーかい。もう少し笑えるようにするね(笑)。ただ1つ約束。先生も自分を殺さないこと!!!」
『わかった。約束だ(笑)。』
先生は小指を立てて私の前に差し出す。
「ゆびきり!!」
私は指切りをして先生の手を握る。
「大丈夫。私は先生の事、大好きだから本当の先生を知ってる。先生が自分を殺さないなら私は凄く嬉しい。だから先生、そのままでいいからね?」
『ありがとう(笑)。君は普段だけ、もう少し笑えばいい(笑)。』
先生はそう言うと、私の頭に手をのせる。
私は少しはにかむと、春の匂いを感じとった。
葉桜の学校で受験生になった
受験生って不安だ
受け入れるしかないのかな
じゃあ仕方がないね
久しぶりに袖を通した制服
違和感
足の皮膚に直接空気が触れる
スカートが女子の象徴であるうちは
やっぱり好きじゃないね
でも仕方がないね
今から交渉したって変わるかわからない
変わってもその頃には卒業だから
終業式の放課後、交換したLINE
会話がないまま一週間
LINEって気軽にしていいのかな
LINEを送って迷惑じゃないかな
怖くて何にも送らない
友達になりたいのに遠ざかってゆく
自分は自分でありたい
男子は嫌だ
女子も嫌だ
自分でありたい
でも
誰かが望むなら
女子になってやろうじゃないか
涙隠して笑ってやろうじゃないか
優等生になろうじゃないか
それで誰かが幸せなら
それで誰かが幸せなら
たとえ壊れても
前が見えないのは視力が悪いからなのか
それとも涙で見えないからなのか
はたまた僕が記憶を消しているからなのか
君はいそうでいなかった
そこにあるのは虚像の君なのか
それとも本当の君なのか
はたまた僕の幻想なのか
君はいなさそうでそこにいた
生きる理由も見つからないけど
死ぬ理由も見つからないから
どっちかが見つかるまで
とりあえず生きることにしました。
また新しい箱の中で
知らないひよこ達とひしめき合う
配給されるガンバレの呪いに
応える身体 日に日に肥える
何もしらないまま
ご飯の上に注がれた君が
今では羨ましく思うよ