コンコン。
私はホットミルクとチョコレートを持って扉を叩く。
『はい。』
先生が返事をしたので扉を開ける。
「先生風邪引いたんだって?大丈夫??」
『君か(笑)。安心しろ。大丈夫だ。』
「ほら、いつものやつ。差し入れ。」
私は先生のベッドの横に椅子を持っていき座ると、
いつものようにミルクとチョコレートを混ぜる。
「今日ね、この間の若い教師さんにね、先生の様子見に行ってって言われたよ?」
『ん??まさか、また素っ気なくしたんじゃないだろうな??』
「う〜ん。………ちょっと(笑)?」
『あれでも私の後輩なんだ。いじめないでくれよ?』
「自分で来ればいいのにって思っただけよ〜。あの人、自分のこと好きじゃないみたいだし?」
『好きじゃないみたい?』
先生はホットミルクチョコレートを飲みながら答える。
「自信ないですみたいな感じ?私、あぁいう人は嫌いじゃないよ。」
『嫌いじゃないのに素っ気ないのか?』
「自信ないのが腹立つの。」
『腹立つのか(笑)?』
「だって、先生の事独り占めしてるくせに。」
『ん??そこなのか?』
「当たり前でしょう?」
コンコン。
『どうぞ。』
先生がそう答えると例の教師が入ってくる。
“あっ。”「あっ。」
先生は教師を私の隣に座らせると、いつものように会話をし始めた。
変な人が増えたと思いながら、私はまだ口をつけていないホットミルクチョコレートを差し出す。
そして、しょうがなくいつものように話し始めた。
この教師の事はまた話すとして、
覚えておいてくれるとありがたい。
“今日は先生が、風邪を引いてお休みなので代わりに授業をします。みんな、よろしく!”
どうやら先生は風邪を引いたらしく、新しく就任した教師が授業を始める。
まぁまぁわかりやすいな〜とか考えながら、授業を受けていたらあっという間に終わった。
“あの……。”
教師に声をかけられたので振り返る。
「なんでしょう?どうしました?」
“覚えてないですか?ここに来たばかりの頃挨拶をしてくれたの。”
私は少し考えて思い出す。(いつの日か窓辺で先生に“新しい教師は気にくわないか?”と聞かれた日に挨拶をした人だ。あの日と同じ赤いネクタイをしている。)
「覚えてます。廊下で挨拶しましたね。」
“良かった。覚えててくれたんですね。……君にお願いがあります。”
「なんでしょう?」
“先生の様子を見に行ってほしいのです。”
「貴方に言われなくてもそのつもりです。」
私はそう言うと一礼し、背を向けて歩き出す。
だが、2歩歩いたところで振り返り聞く。
「何故自分で行かないのですか?」
“えっ?”
「では、私は先生の所へ遊びに行くので失礼します。」
私はもう一度先生の部屋に歩き始める。