ふるふるねこまわる
まるになる小石見つける
転がる円く成る
私が恋した人はこんなんで落ちる人じゃない
むしろそんな貴方も好きだ
呟いてサイトを開く
先生は言ったんだ
『赤は駄目だ青でいろ 笑え』って
だから笑った
赤を消した
青が増えると思った
でも赤が増えた
何故?
聞いた
『笑うから』
分からない
消した
青がいた
赤になった
消した
あれ、おれも赤じゃん
赤を消した
奥馬市には様々な建物が存在する。
自然史博物館や、総合公園、歴史館、
勿論図書館やショッピングモールもある。
そのなかでもひときわ異質な場所は、
鞍狩城(くらかるじょう)跡のある
挽袖山(ひきそでさん)だ。そこには以前は
山の中腹に語世神社(かたらせじんじゃ)があった。
そこでは神のなかでも閻魔大王や、
大口真神(おおくちのまかみ)のような
異質な類いの神を祀っていた。
しかし、最近あった、震度がそれほど大きくなく
規模も大きくない地震で建物全てが
倒壊してしまった。市は建物の老朽化として
処理をしたが、極一部の者から、
「戦国の世にその地に封印された
魑魅魍魎の王が復活した。」とか、
「王の祟りだ。」と言う声があがって
町中に広まった。以来誰一人近付かなくなった。
地震の直後あたりから空に「何か」が
飛んでいるのを見たという人物が出てきた。
その神社では、現穿彦命
(うつつうがちひこのみこと)という
存在しない神を祭神として祀っていた。
これは名目で、本当の意味は、
様々な説があるが1番の有力な説は、
王の封印し続けること。
時は戦国の世に遡る、
昔の奥馬市には、民を苦しめる
魑魅魍魎がたくさん蔓延っていた。
そこに偶然通りかかった人物が
民の苦しみに心を痛め、王の根城に行き
王を封印し、神社が建立された。
その倒壊からは、2年あまり経っていた。
見える者にはそこら中に「何か」が
見えるようになった。そういう人たちは、
山は勿論のこと、路地裏や公園等に
行かなくなり、夜の外出も控えるようになった。
夜な夜な「何か」の嘶きが、囀りが、
そして蠢きが、聞こえるそうだ。
日常と非日常が入れ替わってしまった。
奥馬市は、異形の蠢く非日常に飲み込まれた。