表示件数
0

緋い魔女(再掲) Act 8

「知ってるんじゃないのか」
使い魔に真顔で言われて、少女はつまらなさそうに答える。
「まぁ、ね…未だに語り継がれる伝説的な魔術師の使い魔だものね…私でも、お前の名前は知っていて当然よ」
でもね、と少女は続ける。
「直接当人の口から聞いてみたいじゃない」
だから教えて下さいな、と少女は使い魔に目を向ける。
暫く使い魔は嫌そうに目線を少女から逸らしていたが、やがて諦めたように口を開いた。
「…”ナハツェーラー”」
ふーん、と言って少女は微笑む。
「あの魔術師らしいわね。自分が作ったモノに怪物…それも”吸血鬼”の名前を与えるなんて」
「何か文句?」
不機嫌そうに言われて、少女は笑いながらいいえ、と答える。
「ただそう思っただけ」
少女はそう言い終えると、また歩き出した。

0

ゆらり、

沈む、浮く。
忘れられる。
どうして、
伝えたいことは
引っ込むの。

0

フィルムカメラ

片手でカメラを構えるあの人

そのレンズ越には何が見えているんだろう