「なぁに手紙読んで泣いてんの」
後ろから声がした。
『え?小林くん…』
振り返ると、
”彼”がいつもの顔で私を見つめていた。
「いやだからさぁ、隼人でいいやん」
『hhhh...ハヤト』
「そーそー。んで、何で泣いてんの
僕からの手紙読んでさ」
『これってやっぱり、こ…ハヤトが書いたの?』
ノートに書かれた詩を示す。
「そう…って手紙に書いてたよな?僕」
あっさり肯定した。犯人はこの人だった。
『この日ってさ』
「うん」
『私とハヤトが』
「…うん」
『一年生の頃に、初めて隣になった日?』
夕日が私の影を伸ばす。
教室が紅く染まっていく。
まいったなぁ、と呟いて、
”彼”は頭をかいた。
しばらくしてその頭がこくりと動いた。
「覚えてたんや、そっか…」
【続く】
何があったんだろうな それを聞いた所で
君の答えには成れなかった
何が足りなかったとか何が必要無かったなんてさ
今でも分からないまま
それでも飲み込むしかないと知った
ただ君が幸せである様に そうあれたなら
少しでもそう思えていたなら良かったんだ
もういいさ もうだから いいよ