雪の季節になったね。と君は呟いた。
手の上で溶けてしまう軽い気持ちの雪は
私の中ではもう価値がなくなっていた。
そして
新たなる熱い気持ちの雪が
うまれた。
何を言っているんだろうこの人は。少女はそう思った。
「違うと思う。わたしはあなたを知らない」
彼は、さも楽しそうに笑い声をあげた。
「知ってるよ、私も君とははじめましてだ」
懐っこいところがかわいいと思った。
全ては初めからそこにあるのだから
君は何も創り出さなくていいんだ
イマジネーションなんてクソくらえだ
ただ今の感情を現像するだけでいい
数字の羅列と1%の奇跡で出来た僕らの
「正しさ」こそが世界のマジョリティー
何が「間違い」なのだと言うのだろう
寝起き ぼんやり夢の中 しっかり者の自分と甘ったれな自分がいた 全然しっかり者じゃない、甘え下手な自分の願望 だったりして...
茶化してぱっぱっ
笑顔に期待
行動に落胆
それでも耳は傾けておくのよ
もう減るものなんざないんだから
最後に投げるものはここにある
「私は、ある人を探していてね」
隣に座ってもいい?と目配せをするから、少女は横にずれる。
ありがとうと言うように微笑んだ彼は、続ける。
「もしかしたら、君がそうかも、と思って、思わず声をかけてしまったんだ」